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あかねいろ 第2部

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新チームが結成され、改めて目標は花園!ベスト8チームが、上を見てあがき出します! 第1部はこちら! https://note.com/1331/m/m046bc9fc27cb
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記事一覧

【小説】あかねいろー第2部ー 71)ラグビーに愛される男

  ホイッスルが鳴ると、僕は空を見上げる。雨は相変わらず強い。でも、この雨の感覚は1度目…

Inokichi
6日前
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【小説】あかねいろー第2部ー 70)最高のタックル

   SHからSOに向かってボールが出る。今度は10番は少しだけ前に出て、真横のタウファにボ…

Inokichi
1か月前
2

【小説】あかねいろー第2部ー 69)ゴールライン上にて

   20分を回る。自陣22mの真ん中あたりでのマイボールのスクラムは問題なく岡野の手に…

Inokichi
1か月前

【小説】あかねいろー第2部ー 68)火花が引火して心が沸騰

  キックオフのボールはミスキックになり、低い弾道で僕らの右サイドに飛んでくる。回転が不…

Inokichi
1か月前
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【小説】あかねいろー第2部ー 67)逆転の雨

  後半5分を過ぎたところで、試合を土俵中央に押し戻す。しかも、相手の切り札のタウファは…

Inokichi
1か月前
1

【小説】あかねいろー第2部ー 66)追い上げの雨

  スタンドの下のロッカールームに引き上げ、前半の反省をする。点差は8点、1トライ差圏外…

Inokichi
2か月前

【小説】あかねいろー第2部ー 65)呆然というよりも唖然

  先制を許したけれども、桜渓大付属に動揺の色は見られなかった。彼らは彼らで、関東大会まで行き、そこでベスト8まで進んでいる自信がある。  次のキックオフを僕らは蹴り返し、自陣10m付近でのラインアウトになる。  ここから彼らはモールを組んで押してくる。モールは僕らの方が強いという自負があったけれど、彼らの中にも相応の自信があるのだろう。しっかり組んで、まっすぐと、ゆっくりと押してくる。エリアも中盤で、僕らもモールに全員が入るわけではない。じっくりと6、7mモールを押して、さ

【小説】あかねいろー第2部ー 64)生きて帰ってこれるのは勝った時だけだ

  10月19日はあいにくの曇り空。灰色の厚手の雲が低く垂れ込み、午後からは雨の予報も出…

Inokichi
2か月前
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【小説】あかねいろー第2部ー 63)僕が力強くなれるのは、僕たち、のことだけ

  24時近くになる。  普段は僕は、できる限り日は跨がないように寝る。朝は6時に起きる…

Inokichi
2か月前
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【小説】あかねいろー第2部ー 62)失言??いや、青春

  翌日からはテスト期間だけれども、2時間程度だけ練習をする。学校からも特別に許可がされ…

Inokichi
3か月前
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【小説】あかねいろー第2部ー 61)今度は逃げない

  ベスト16の試合の2日後に、一太に谷杉からLINEが来る。 「次の試合、吉田にセンターを…

Inokichi
3か月前

【小説】あかねいろー第2部ー 60)ここからが僕の秋

  月曜日の診察で、完全に復帰へGOサインが出る。 「もう大丈夫」 ということだった。  8…

Inokichi
3か月前
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【小説】あかねいろー第2部ー 59)PGなど選択外

  10時を過ぎた秋の空は眩しいくらいに真っ青だ。その真ん中に向かって大沢南の10番がド…

Inokichi
3か月前
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【小説】あかねいろー第2部ー 58)まさか

  結局前半はそのまま7点のビハインドで終了した。終盤にかけて、僕らはFWで圧力をかけ、モールを押し、サイドを執拗についたけれども、大沢南の気迫の、鬼気迫るタックルに、もう一息というところでミスを繰り返し、前進はすれどもゴールラインを超えるまで継続しきれなかった。大沢南のタックルは全体的に少し高く入ってくるように感じ、それも僕らにとってはストレスになった。浅岡は顔近くに肩で入られ激昂した。ただ、その程度のことはいつの試合でもありそうなことではあった。  控室に引き返してきた