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王家の宝石箱

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王家に伝わるジュエリーの話をまとめています。
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#ティアラ

ファベルジェのアクアマリンティアラ

ファベルジェのアクアマリンティアラ

概要ロマノフ家のインペリアルエッグを多数製作したことで知られるジュエラー、ファベルジェ製のティアラ。
キューピッドの矢の上に大きな雫形のアクアマリンをのせたモチーフを、ダイヤと特殊なプラチナ合金(とみられる)で作られたワスレナグサとリボンで繋いである。

名称アレクサンドラ大公妃のファベルジェティアラ
GRAND DUCHESS ALEXANDRA’S FABERGE TIARA

起源かつてドイ

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王家の宝石 | ベルギー王室のナイン・プロヴァンス・ティアラ

王家の宝石 | ベルギー王室のナイン・プロヴァンス・ティアラ


概要ベルギー王妃に代々受け継がれているティアラ。
⑴メアンダー模様のベース、⑵11のダイヤモンドパーツ、⑶後から加えられたアーチ型のパーツの3つで構成されている。
各パーツは取り外して、バンドゥやチョーカーのように使用可能。

なお⑵にある11のダイヤモンドは、当時9つあったベルギーの州(※)および王室と植民地コンゴを表していると言われている。
このベルギー領コンゴで採れたダイヤモンドに、アント

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王家の宝石 | スペイン王室のプロイセンティアラ

王家の宝石 | スペイン王室のプロイセンティアラ

今回は初挑戦─スペイン王室に伝わるティアラのお話です!


概要ドイツ皇女からギリシャ王室を経て、現在はスペイン王室に伝わるティアラ。

プラチナで出来たメアンダー模様(ギリシア雷文とも)のベースに柱状の透かし模様、トップには月桂樹のモチーフをあしらったクラシカルな作り。

使われている石はダイヤ。中央の大きなしずく形の石はぶら下がっている状態で、頭の動きに合わせてゆれる作りになっている。

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王家の宝石 | デンマーク王室のルビーティアラ

王家の宝石 | デンマーク王室のルビーティアラ

⚫︎はじめに⚫︎
明けましておめでとうございます。

2024年1月1日、デンマーク マルグレーテ女王退位のニュースを受け、慌てて下書きにしまっておいた本記事を投稿することにしました。
(文中の「女王」「王太子」などの表現を直すのが手間なので)

概要デンマーク王太子妃メアリーが頻繁に着用するティアラ。
ダイヤの葉とルビーの実が連なった作り。
お揃いのイヤリングやネックレスもある。 

名称THE

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王家の宝石 | ブルガリアのフルール・ド・リス ティアラ

王家の宝石 | ブルガリアのフルール・ド・リス ティアラ

概要フルール・ド・リスは、アヤメの花をモチーフにしたマーク。

王権的あるいは表象的な意味を持つ場合があり、紋章や良いとこの子が行ってそうな学校の校章に使われたりする(後者は個人的偏見)。

名称THE BULGARIAN FLEUR-DE-LIS TIARA

起源ブルガリア国民議会が、当時のブルガリア公妃へ結婚祝いとして送った。
(諸説あり。詳細は後述)

ブルガリアの国旗カラーであるエメラル

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王家の宝石 | 7月の誕生石 - バイエルン王家のルビーティアラ

王家の宝石 | 7月の誕生石 - バイエルン王家のルビーティアラ

概要かつてドイツに存在したバイエルン王国に伝わる巨大なティアラ。
現在はミュンヘン・レジデンツ美術館が所蔵している。

名称Bavarian Ruby and Spinel Parure
(ティアラ、イヤリング、ブレスレット、ネックレスのセット)

起源バイエルン王ルートヴィヒ1世が、妻テレーゼに贈った

宝飾メーカーCaspar Rielände

歴史① テレーゼ・フォン・ザクセン=ヒルトブル

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王家の宝石 | 12月の誕生石 - 2人のデイジーのターコイズティアラ

王家の宝石 | 12月の誕生石 - 2人のデイジーのターコイズティアラ

概要現在のデンマーク王国君主マルグレーテ2世の愛称は "デイジー" 。

そのデイジーをモチーフに、ターコイズ(トルコ石)とダイヤとパールで作られたティアラについてのお話です。

名称ターコイズ・デイジー・バンドゥ 
(THE TURQUOISE DAISY BANDEAU )

起源不明(エカチェリーナ2世が起源とする説があるが定かではない)

宝飾メーカー不明

歴史ティアラが誕生してから現在

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【ショート】王家の宝石 | 10月の誕生石 - マリードルレアン王女のオパールティアラ

【ショート】王家の宝石 | 10月の誕生石 - マリードルレアン王女のオパールティアラ

概要火花のようなユニークな形のオパールティアラ。
こちらは元々フランス出身のデンマーク王女マリーの持ち物であった。

彼女の死後、形を作り替えられて親戚を渡り、現在の行方は不明。

歴史ティアラが作られてから現在までの行方を詳しく。

①マリードルレアン1885年、オルレアン家のマリードルレアンがデンマークに嫁入りする際作られたと言われる。

マリーはこちらの記事にもチラッと登場します。


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