王家の宝石 | スペイン王室のプロイセンティアラ
今回は初挑戦─スペイン王室に伝わるティアラのお話です!
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概要
ドイツ皇女からギリシャ王室を経て、現在はスペイン王室に伝わるティアラ。
プラチナで出来たメアンダー模様(ギリシア雷文とも)のベースに柱状の透かし模様、トップには月桂樹のモチーフをあしらったクラシカルな作り。
使われている石はダイヤ。中央の大きなしずく形の石はぶら下がっている状態で、頭の動きに合わせてゆれる作りになっている。
名称
THE PRUSSIAN TIARA
起源
1913年、ドイツ皇帝が娘へ結婚祝いとして贈った
宝飾メーカー
コッホ
Koch
(細菌研究学者の方とは別)
歴史
① ヴィクトリア・ルイーゼ・フォン・プロイセン
ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世の娘。
この可憐なお嬢さんがこの人の娘と知った時の衝撃たるや!
(気分はハルコさんがゴリの妹と知った時の桜木花道)
1913年、20歳のときハノーファー王の孫エルンスト・アウグストと結婚。
結婚祝いとしてティアラを贈られました。
なお、翌年第一次世界大戦が勃発しているため、2人の結婚式が大戦前ヨーロッパ各国の君主が集う最後の機会となりました。
② フリデリキ (ギリシャ王妃)
①ヴィクトリア・ルイーゼの娘。
ギリシャ王室に嫁ぎました。
夫パウロス1世の即位に伴いギリシャ王妃となるも、息子の代の1974年に王政が廃止。
彼女は7年後に亡命先のマドリードで亡くなりました。
③ソフィア(前スペイン王妃)
②フリデリキの娘。
1962年、亡命中だったスペイン国王の孫フアン・カルロスと結婚。
のちにスペインは王制が復活し、王妃としてティアラを着用するようになりました。
④スペイン王家
③ソフィアの娘たち。
現国王の姉にあたります。
∟④-1. エレナ王女
③ソフィアの長女。
1986年、この方が来日した際の歓迎晩餐会が、天皇陛下(当時は浩宮さま)と皇后陛下(当時は小和田雅子さん)の初対面の場となりました。
1994年、天皇陛下ご夫妻(現上皇陛下)がスペインを訪問した際の晩餐会の様子。
左端がティアラを着けたエレナ王女。
↓
∟④-2. クリスティーナ王女
④-1エレナ王女の妹。
⑤レティシア王妃
③ソフィア前王妃の息子・フェリペ6世の妻。
2004年の結婚式でティアラを着用、以来頻繁にこれを身につけていました。
しかし2011年以来このティアラは表に出ていないそうです。
2014年、義父の譲位に伴い王妃となりました。
おわりに
ここ10年ほど姿を見せていないティアラ。
一説には、次期王位継承者であるレオノール王女が譲り受けるのではと言われています。
カタルーニャ語でスピーチをする
レオノール王女、当時14歳。
↓
元々は20歳の花嫁に作られたティアラ。
小ぶりで繊細な作りは、才色兼備な若き王女にぴったりだと思います。
来たるべき時に備えて、今は大切にメンテナンス&保管されているのかもしれません。
ノルウェーのサークルティアラ同様、次の世代への期待が高まる話ですね!
本日もご覧くださり、ありがとうございました。
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参考⠀
見出し画像:
pexs.com
free to use
・THE COURT JEWELLER
《 THE PRUSSIAN TIARA 》
・JIJI.com
《 スペイン第1王位継承者・レオノール王女 》
・スペイン語教室ADELANTE
《 スペイン王室レオノール王女の輝かしい多言語スピーチ 》
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