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王家の宝石 | スペイン王室のプロイセンティアラ


今回は初挑戦─スペイン王室に伝わるティアラのお話です!

概要

ドイツ皇女からギリシャ王室を経て、現在はスペイン王室に伝わるティアラ。

プラチナで出来たメアンダー模様(ギリシア雷文とも)のベースに柱状の透かし模様、トップには月桂樹のモチーフをあしらったクラシカルな作り。

使われている石はダイヤ。中央の大きなしずく形の石はぶら下がっている状態で、頭の動きに合わせてゆれる作りになっている。

名称


THE PRUSSIAN TIARA

起源

1913年、ドイツ皇帝が娘へ結婚祝いとして贈った

宝飾メーカー

コッホ
Koch
(細菌研究学者の方とは別)

歴史

① ヴィクトリア・ルイーゼ・フォン・プロイセン

Harris & Ewing Collection • Public domain
Wikimedia Commons

ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世の娘。
この可憐なお嬢さんがこの人の娘と知った時の衝撃たるや!
(気分はハルコさんがゴリの妹と知った時の桜木花道)

父・プロイセン王/ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世
Thomas Heinrich Voigt • Public domain
Wikimedia Commons



1913年、20歳のときハノーファー王の孫エルンスト・アウグストと結婚。
結婚祝いとしてティアラを贈られました。


なお、翌年第一次世界大戦が勃発しているため、2人の結婚式が大戦前ヨーロッパ各国の君主が集う最後の機会となりました。

祝宴の様子。どれが誰だか分かりますか?
unknown author / Wikimedia Commons

② フリデリキ (ギリシャ王妃)

Unknown author • Public domain
Wikimedia Commons

①ヴィクトリア・ルイーゼの娘。
ギリシャ王室に嫁ぎました。

夫パウロス1世の即位に伴いギリシャ王妃となるも、息子の代の1974年に王政が廃止。
彼女は7年後に亡命先のマドリードで亡くなりました。

③ソフィア(前スペイン王妃)

Unknown photographer • Public domain
Wikimedia Commons

②フリデリキの娘。
1962年、亡命中だったスペイン国王の孫フアン・カルロスと結婚。
のちにスペインは王制が復活し、王妃としてティアラを着用するようになりました。

④スペイン王家

③ソフィアの娘たち。
現国王の姉にあたります。

∟④-1. エレナ王女

③ソフィアの長女。
1986年、この方が来日した際の歓迎晩餐会が、天皇陛下(当時は浩宮さま)と皇后陛下(当時は小和田雅子さん)の初対面の場となりました。

1994年、天皇陛下ご夫妻(現上皇陛下)がスペインを訪問した際の晩餐会の様子。
左端がティアラを着けたエレナ王女。


∟④-2. クリスティーナ王女

④-1エレナ王女の妹。

左から2番目がティアラを着けたクリスティーナ王女。
真ん中にいるのはプーチン(2006年撮影)。
Presidential Press and Information Office •
CC BY 4.0 / Attribution: Kremlin.ru
Wikimedia Commons

⑤レティシア王妃

Junta Informa • CC BY-SA 2.0(トリミング)
Wikimedia Commons

③ソフィア前王妃の息子・フェリペ6世の妻。
2004年の結婚式でティアラを着用、以来頻繁にこれを身につけていました。
しかし2011年以来このティアラは表に出ていないそうです。

2014年、義父の譲位に伴い王妃となりました。

おわりに

ここ10年ほど姿を見せていないティアラ。
一説には、次期王位継承者であるレオノール王女が譲り受けるのではと言われています。

左端がレオノール王女。(2019年)
Pool Moncloa / Borja Puig de la Bellacasa • Attribution: Ministry of the Presidency. Government of Spain
Wikimedia Commons

レオノール王女
2005年生まれ。
2023年5月、イギリスの学校を卒業して国際バカロレア資格を取得。
9月からは3年間、即位に備え軍の士官学校で学ぶ予定。

語学堪能で、英語フランス語アラビア語を話せるほか、中国語も学び、さらにスペイン国内の多言語であるカタルーニャ語バスク語ガリシア語も操るそうです。特にカタルーニャ語は非常に流暢に話すことができるとか。

異次元レベルのマルチリンガル


カタルーニャ語でスピーチをする
レオノール王女、当時14歳。


元々は20歳の花嫁に作られたティアラ。
小ぶりで繊細な作りは、才色兼備な若き王女にぴったりだと思います。


来たるべき時に備えて、今は大切にメンテナンス&保管されているのかもしれません。
ノルウェーのサークルティアラ同様、次の世代への期待が高まる話ですね!




本日もご覧くださり、ありがとうございました。




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#ジュエリー
#誕生石
#西洋史
#王室
#宝石

参考⠀

見出し画像:
pexs.com
free to use

・THE COURT JEWELLER
THE PRUSSIAN TIARA

・JIJI.com
スペイン第1王位継承者・レオノール王女

・スペイン語教室ADELANTE
スペイン王室レオノール王女の輝かしい多言語スピーチ

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