驚いたり呆れたりした人に向かって、「○○にようこそ」と言う ~映画「マネーボール」の場合
◆概要
【驚いたり呆れたりした人に向かって、「○○にようこそ」と言う】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:映画「マネーボール」
▶1
本作の主要キャラの1人・ジャスティス(30代の男性)。
彼は、プロ野球選手である。
以前は名門球団「ニューヨーク・ヤンキース」の選手だったが、ごく最近、貧乏球団「オークランド・アスレチックス」にやってきた。
移籍直後のことだ。
・Step1:控室。ジャスティスがコーラの自動販売機のボタンを押した。
・Step2:しかし何も出てこない。ジャスティスはイラッとして「クソ!なんで出ないんだ!?」。
・Step3:すると、ちょうどそこに通りかかったチームメイトが「1ドル入れた?」。
・Step4:ジャスティスは困惑する「……え?」。
・Step5:チームメイトは言った「アスレチックスにようこそ!」。
ジャスティスはすぐにピンと来た。
・Step6:ヤンキースでは控室の自動販売機は無料で使えた。というかヤンキースに限らず、どこの球団だって無料のはずだ。しかしここはアスレチックス。そう、メジャーリーグ屈指の貧乏球団だ。金がない。ゆえに自動販売機は有料だ。
・Step7:というわけで、ジャスティスは悲鳴を上げた「……おい、冗談だろ!?」。
▶2
ご注目いただきたいのは、「アスレチックスにようこそ!」というチームメイトのセリフである。
要するに「アスレチックスでは有料なんだぜ。なんせ貧乏球団だからな。まっ、お前も早く慣れるこった」という意味だが――ストレートにそう言ってしまっては面白みを欠く。
そこで【驚いたり呆れたりした人に向かって、「○○にようこそ」と言う】という技法の出番だ。「アスレチックスでは有料なんだぜ。なんせ貧乏球団だからな。まっ、お前も早く慣れるこった」を「アスレチックスにようこそ!」に置き換えたことで、スマートでおしゃれなセリフになったといえるだろう。
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