手に汗握る空中戦→地上すれすれを飛行したせいで、「ぶー。ぶー。ぶー」と車の防犯アラームが一斉に鳴り出す
◆概要
戦闘シーンが延々と続くと飽きてしまう、あるいは肩に力が入り疲れてしまうという読者・鑑賞者は少なくない。そこで、ちょっとした箸休めのために「息抜きできる場面」「クスっと笑える出来事」が描かれることがある。
【手に汗握る空中戦→地上すれすれを飛行したせいで、「ぶー。ぶー。ぶー」と車の防犯アラームが一斉に鳴り出す】はその一例。
◆事例研究
◇事例:映画「アイアンマン2」
▶1
本作の主人公はアイアンマン。
言わずと知れたスーパーヒーローである。
物語終盤、「アイアンマンが、ラスボスの作った複数の無人ロボットと空中戦を繰り広げる」というシーンがある。
アイアンマンと無人ロボットの空中戦は迫力満点だ。
見ごたえがある。
とはいえ……延々と飛び回るだけでは飽きてしまうだろう。また、いつ終わるとも知れぬ戦いは見ていて疲れてしまうものだ。
その点、本作は巧い。
空中戦の最中にふいにこんな場面が挟まるのだ。
・Step1:アイアンマンが空を飛ぶ。複数のロボットがそれを追う。
・Step2:超高速で地上2mほどを飛ぶアイアンマン。空気が揺れる。その振動のせいだろう、駐車場に停まっていた車2~3台の防犯アラームが鳴り始めた「ぶー。ぶー。ぶー」。
・Step3:直後、アイアンマンを追うたくさんの無人ロボットも駐車場上空を通過。空気が揺れる。かくして……数十台の車のアラームが一斉に鳴り始めた「ぶー。ぶー。ぶー」「びー。びー。びー」「うぃーん。うぃーん。うぃーん」。嗚呼、うるさいことこの上ない!
・Step4:が、それもほんの数秒のこと。カメラはすぐまた空中戦を追い始めた。
激しい空中戦をよそに「ぶー。ぶー。ぶー」と鳴り響くアラーム……何だか間抜けだ。
思わず噴き出してしまった、そしてそれがいい箸休めとなり、再びアイアンマンの格好いい戦闘シーンに集中できるようになったという人は少なくないはずだ。
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