失言・暴言の後で形式的に謝罪するものの、故意にすぐまた繰り返す ~映画「ブリジット・ジョーンズの日記」の場合
◆概要
【失言・暴言の後で形式的に謝罪するものの、故意にすぐまた繰り返す】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:映画「ブリジット・ジョーンズの日記」
▶1
本作の主人公はブリジット(女性32歳、未婚)。
彼女は、とある出版社に勤務している。
ブリジットの上司はダニエルと言い、
・Step1:かなりのプレイボーイだ。
・Step2:じつは最近、ブリジットはこのダニエルといい雰囲気になっていた。「あんな軽薄な男にマジになっちゃダメよ!」と自分に言い聞かせるものの、嗚呼、恋心は止められない。
・Step3:今日も2人は職場できわどいメッセージを送り合っている。
例えば、
・Step4:ブリジットがミニスカートで出社した日のことだ。
・Step5:ダニエルからメッセージが届いた。曰く「スカートを履き忘れているようだが」「ミニスカートを見せつけるために私の部屋の前を通っているのかい?」。
・Step6:ブリジットが返信を書く「メッセージに愕然としました」「スカート丈に病的にこだわるのはお止めください」「邪魔しないでください。仕事で忙しいんです」。さらに付け加える「追伸:ここまでぶしつけにセクハラされるなんて信じられない!」。
・Step7:すぐにダニエルから返事が来た「不愉快な思いをさせてしまったことを恥じている。今後は慎む。申し訳なかった。追伸:今日のおっぱい最高!」。
・Step8:ブリジットは思わずニヤニヤ。これ、絶対に私に気があるだろ!
▶2
ご注目いただきたいのは、「不愉快な思いをさせてしまったことを恥じている。今後は慎む。申し訳なかった」というダニエルからのメッセージである。
ダニエルは本気で謝っているのではない。「恥じている」「今後は慎む」という反省の言葉や「申し訳なかった」という謝罪の言葉は形だけのものであり、次のセクハラ発言への前振り・前置きだ。
そしてこの前振り・前置きがあることで、「スカート丈いいね!おっぱいもいいね!」とセクハラ発言を単に並べるよりもずっと面白いやりとりになったといえるだろう。