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学ぼうよ!なろう系タイトルに!!

<なろう系タイトル>に学ぼう!!


三葉 <なろう系タイトル>って、揶揄されることが多いじゃん。


清水 そうね。

三葉 ①長いし、②説明的だし、その上多くの作品には、③「無双」「チームアイテム」「S級」「××の件」といったテンプレ的な単語が使われているし……まぁ、揶揄する人の気持ちもわかるんだよ。

清水 うん。

三葉 でもさ、少なくともクリエイター(やクリエイター志望者)は、頭ごなしに否定してしまってはダメだと思うんだ。だって、学ぶこともたくさんあるでしょ!

清水 ほぉ。というと?


<登場人物紹介>

・清水:マスター・オブ・アニメ。年100作以上のアニメを見続けて20余年。

・三葉:清水とは中学からの友人。清水の影響でアニメを見始めた。「シスター・プリンセス」の中では、特に咲耶、衛、雛子が好きです。あと千影。


きみは、「元カレとセスナに乗ったらパイロットが死んじゃった話」を知っているか?


三葉 例えばさ、「元カレとセスナに乗ったらパイロットが死んじゃった話」という映画を知っているかな?


※補足:当初「元カレとセスナに乗ったらパイロットが死んじゃった話」という邦題でしたが、その後「元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件」に変更になりました。ここでは前者について議論します。


三葉 先日ちょっと話題になったタイトルなんだけど……。

清水 知ってる(笑)原題は「Horizon Line」なんだよね。

三葉 そうそう。直訳すれば「地平線」「水平線」。それが邦題になると「元カレとセスナに乗ったらパイロットが死んじゃった話」だっていうんだから……すごいよね(笑)

清水 うん。

三葉 しかも驚くべきことに、作中に登場する飛行機はじつはセスナじゃないらしいんだよ。それなのに「セスナに乗ったら~」というタイトル(笑)


「元カレとセスナに乗ったらパイロットが死んじゃった話」という邦題の偉大さ


三葉 まぁざっくばらんに言ってさ、この邦題を揶揄する人の気持ちもわからないではないんだ。

清水 ふむ。

三葉 でもさ、その一方でここから学ぶことも少なからずあるはずだ

清水 ほぉ。

三葉 だって考えてみてよ!この映画、有名な俳優が出演しているわけでなし、著名な監督が撮ったわけでなし、「演出がすごい」「特撮が見どころ」といったわかりやすい強みがあるわけでなし、おそらくは宣伝費も限定的……。せめてタイトルで目を惹かなきゃ!

清水 まぁね。

三葉 その点、「地平線」では弱すぎる。ちっとも見ようという気にならない。だって、どんな作品かイメージが湧かないもん

清水 うーむ。

三葉 ところが、これが「元カレとセスナに乗ったらパイロットが死んじゃった話」になると……おお!どのような作品か想像できるぞ!

清水 確かに(笑)

三葉 具体的には……

・「主人公は女性。ある日、元カレとばったり再会するわけだな」

・「<セスナ>って小型の飛行機だよね?その中で元カレと遭遇かぁ。そりゃ気まずいだろうな。2人がばったり遭遇するシーンはちょっと笑えそう(笑)」

・「とはいえ、生還するためには仕方がない。『主人公は、躊躇しながらも元カレと力を合わせことになったのでした』って展開だよね」

・「途中、主人公は元カレの魅力を再認識したりするんだろうな」

・「ところどころに回想が挟まるのかな?2人が付き合っていた頃のラブラブエピソードとか、不仲になってしまった原因とか」

・「最後はヨリを戻すのかな?それとも、もっと素敵なカレを見つけるのかな?」


三葉 とまぁ、こんな風にあれこれ想像が働く。

清水 ふむ。

三葉 そして、これだったら「見に行きたい」とか「見てもいいかな」と思う人はいるはずだよ。「地平線」ではこうはいかない。


小型飛行機より<セスナ>でしょ!


三葉 さらに言うとさ。

清水 うん。

三葉 俺、タイトルに<セスナ>という言葉を使ったのも、ある意味では正解だったんじゃないかと思うんだ。


清水 ほぉ。

三葉 IMDbや英語版のWikipediaを見ると、主人公らが乗るのは<a small plane>、つまりは<小型機>となっている。


三葉 でもさ、だからといってこれをそのまま使うと、「元カレと小型機に乗ったらパイロットが死んじゃった話」……。ちょっと重いと思わない?

清水 あー。<小型機>というとメカニックな感じがするかな。<セスナ>の方が軽い印象だね。

三葉 そうそう!そしてこの映画を見るであろう人は、たぶんメカニックなものは求めていない(笑)

清水 だろうねぇ(笑)

三葉 しかも、多くの日本人にとっては<セスナ = 小型機>だし、<セスナ = 小型機の総称>と誤認している人もいると思う。

清水 ふむふむ。

三葉 もちろん、セスナでないものを<セスナ>と呼ぶのはいただけないけれど……しかし、<正確さよりも、わかりやすさ・伝わりやすさを重視した>と考えれば、<セスナ>という言葉を使ったのは正しかったとも言えると思うんだよね。

清水 なるほど。


まとめ


三葉 以上をまとめると……「元カレとセスナに乗ったらパイロットが死んじゃった話」というタイトルから学べることは、大別して2つあると思う。

清水 ふむ。

三葉 第1に、【<多くの人が何となくストーリーを想像できるタイトル>には価値がある】ということ。だって、何となくストーリーを想像できるからこそ「見てみようかな」と思う人が出てくるわけだからね。原題を直訳した「地平線」では、こうはいかないよ。

清水 ふむふむ。

三葉 そして第2に、【正確さよりも、わかりやすさ・伝わりやすさを重視した方がいいこともある】ということ。例えば「3.1415926535……」と細かく記述するよりも、ざっくり「3.14」、さらには「3」とした方がいいこともある。それと同じだ。



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(担当:三葉)

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