相手の決意表明に対して、言葉ではなく行動で応える
◆概要
【相手の決意表明に対して、言葉ではなく行動で応える】は、創作の技術の1つである。
決意表明に対して、「よし、わかった!一緒に頑張ろう!」と言葉で応じる。……これではあまりにも芸がない。セリフの代わりに行動で応じるべし。その方が洗練されているし、面白くなるはずだ。
◆事例研究
◇事例:特撮ドラマ「仮面ライダークウガ」(第1-4話)
▶1
主人公の五代はふいにスーパーパワーを獲得、クウガに変身できるようになった(第1話)。最初は困惑していたものの、彼は間もなく腹を決めた。皆を守るために、俺はクウガになって怪物と戦うぞ!(第2話)
かくして五代は、一条(怪物事件を担当している刑事)に決意表明した「俺、中途半端はしません!皆のために戦います!!」(第2-3話)。
ところが当初、一条は五代が事件に関わることを嫌がっていた。理由は複数ある。例えば「あいつは軽々しく首を突っ込んできているだけだ」と誤解、刑事という職業に誇りを持つ一条は軽薄な五代にムカッとしていたのだ。
だがやがて一条は、五代の決意が本物だと気づいた(第4話)。かくして彼は新型白バイ「トライチェイサー2000」を五代に託した。
つまり、「俺、中途半端はしません!」という五代の決意表明に対して、一条はトライチェイサー2000を託すことで応じたのだ。
▶2
面白いのは、五代にトライチェイサー2000を託すシーンである。
この時、一条は「最新型の白バイの試作機だ。普及型ではコストの都合上切り捨てた性能がこれにはすべて搭載されている」と説明した。
……このセリフ、ちょっと違和感を覚えないだろうか?というのも、妙に説明的だと思うのだ。そもそも町ではいまも怪物が暴れ回り、被害者が増え続けているのに、なぜこんなことを悠長に説明したのか?
思うに一条は、「五代よ、『中途半端はしません!』というお前の覚悟しかと受け取った!だから俺は、お前に『普及型ではコストの都合上切り捨てた性能がすべて搭載されたバイク = 中途半端ではないバイク』を託すぞ!!」という想いを暗に伝えたかったのだ。
だからわざわざ「普及型ではコストの都合上云々」なんてことを説明したのだろう。
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