相手の言葉を下敷きにして、強く叱ったり批判したりする ~映画「トゥー・ウィークス・ノーティス」の場合
◆概要
【相手の言葉を下敷きにして、強く叱ったり批判したりする】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:映画「トゥー・ウィークス・ノーティス」
▶1
本作の主人公は、ルーシー(30代の女性)。
彼女は優秀な弁護士だ。
いまはとある大企業に所属し、ジョージ(CEO、ルーシーと同世代ながらやたら子供っぽい男)に振り回されながら忙しく働いている。
いろいろあってある日、
・Step1:ルーシーとジョージがテニスに出かけた時のことだ。
・Step2:帰り道、ジョージが車を運転していると……ん?ルーシーの様子がおかしい。
・Step3:聞けば、腹が痛いのだという。テニス場で食べすぎたせいだ。ルーシーはうめく「あー!あー、もうダメ!」「最後のチリドッグが効いたわぁ……」。
直後、
・Step4:不運にも車が渋滞にはまってしまった。
・Step5:ルーシーは絶望する。
・Step6:ジョージが励ます「まぁ落ち着いて。20分もあれば着く」。
・Step7:しかしルーシーは「20秒ももたないわ!お腹の中で爆弾が爆発しそうなのよ!」。
・Step8:その後も「我慢できないなら……もうここで出しちゃえ!」「ん?何何何!?5歳児じゃないのよ!?」と言った漫才じみたやりとりが続く。
▶2
ご注目いただきたいのは、「20秒ももたないわ!」というルーシーのセリフである。
要するに「まぁ落ち着いて。20分もあれば着く」というジョージの励ましに対して「そんなに我慢できないわよ!」と悲鳴を上げているわけだが――ストレートにそう言ってしまっては面白くない。
そこで【相手の言葉を下敷きにして、強く叱ったり批判したりする】という技法の出番だ。ジョージの「20分」に対して「20秒」を並べたことでリズム感が生まれ、軽妙でコミカルなセリフになったといえるだろう。
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