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「朝、カーテンを開ける→ただし全開にはせず、ほんの少しだけ開けてそこから窓の外を覗く」という動作によって、そのキャラが「現実」に怯えていること、まだ「現実」を直視できずにいることを暗示する ~アニメ「幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-」の場合
魔王の末裔マリ「あなたならヌマヅを救えるかもしれない」
↓
ヨハネ「でも、ヌマヅを救うとか……そんなこと、私にできるわけないし……」
◆概要
【「朝、カーテンを開ける→ただし全開にはせず、ほんの少しだけ開けてそこから窓の外を覗く」という動作によって、そのキャラが「現実」に怯えていること、まだ「現実」を直視できずにいることを暗示する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:アニメ「幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-」(第3-4話)
▶1
本作の主人公は、ヨハネ(16歳の少女)。
彼女は、港町ヌマヅで生まれ育った。一時的にトカイ(東京風の大都会)に出ていたものの、つい最近ヌマヅに戻ってきたところだ。
ゆえあってある日、
・Step1:ヨハネは魔王城を訪問。魔王の末裔マリと面会した。
・Step2:そしていろいろあって、マリが言った「あなたならヌマヅを救えるかもしれない」。
・Step3:じつはヌマヅでは、野生動物がふいに狂暴化して人を襲うといった異変が起きており、人々は大層困っていたのだ。
翌朝。
・Step4:自宅で目を覚ましたヨハネ。
・Step5:ヨハネは思い出す。マリに言われた「あなたならヌマヅを救えるかもしれない」という言葉を。
・Step6:ヨハネはベッド際のカーテンを少しだけ開けた。そして窓越しに外を見つめて「でも、ヌマヅを救うとか……そんなこと、私にできるわけないし……」。
▶2
ご注目いただきたいのは、Step6。
ヨハネはカーテンを開けた。ただし、ほんの少しだけ。そしてそこから窓の外を見つめた――。
ヨハネというこの少女は、往々にして「私はそんじょそこらの人とは違うの。特別な人間なのよ!」「こんな田舎町で終わってたまるものですか!」なんてデカい口を叩いたり、いばりくさったりしている。ところがどっこい、じつは大変な小心者。また、自己評価も低い。
ゆえに――魔王の末裔というまさに特別な存在から、「あなたならヌマヅを救えるかもしれない」という特別な宣告を受けた時、念願叶って特別な人間になり得るかもしれないというのに喜ぶことができなかった。
むしろ怯えた。そして、「私にできるわけないし……」なんて口走ってしまう。
そう、小心者で自己評価の低いヨハネはビビッてしまったのである。
いまの彼女は、自らが救世主かもしれないという現実、この町の未来が自分の双肩にかかっているかもしれないという現実に耐えられない。
現実を直視する勇気や覚悟がない。
「カーテンに覆われた部屋=世間から隔絶された安全な場所」から、「窓の外=現実」をおそるおそる見つめることしかできないというわけだ。
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