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比喩を使って、決めゼリフを作ったり大団円感を醸し出したりする ~映画「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」の場合

ローリー「(マリファナを売買する契約を結んだ後に)1つ言っておく」「俺は腐った牛乳を飲むほどバカじゃねぇ」「この意味わかるな?」

映画「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」




◆概要

【比喩を使って、決めゼリフを作ったり大団円感を醸し出したりする】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:映画「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」

▶1

本作の主要キャラの1人・ローリー(30代頃の男性)。

彼は、ギャングの親分である。


ある日、

・Step1:ローリーのもとにニックがやってきた。

・Step2:ニックは盗品を買い取り、それを別の人に売るという仕事をしている。かくして彼は言った「もうすぐ素晴らしいマリファナを入荷することになっている。それを買い取ってほしいんだ」

・Step3:やがて交渉成立。


ニックが席を立とうとしたところで、

・Step4:ローリーが口を開いた「1つ言っておく」。彼は急に真顔になると、ニックの顔をじっと見つめて「俺は腐った牛乳を飲むほどバカじゃねぇ」。そしてニコッと笑った「この意味わかるな?」

・Step5:さすがはギャングの親分。すごい迫力である。ニックは動揺し、慌てて満面の笑みを浮かべるとうなずいてみせた。


▶2

ご注目いただきたいのは、「1つ言っておく」「俺は腐った牛乳を飲むほどバカじゃねぇ」「この意味わかるな?」というローリーのセリフである。

要するに「俺は低品質なマリファナに騙されたりはしない。約束通り高品質なものを持ってこいよ。わかっているな?」という警告だが――ストレートにそう言ってしまっては面白くない。

そこで【比喩を使って、決めゼリフを作ったり大団円感を醸し出したりする】という技法の出番だ。「低品質なマリファナ」を「腐った牛乳」に喩えたことで、格好いい脅し文句になったといえるだろう。


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