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「相手が絶対にノーと答える質問」や「トンチンカンな質問」を投げかけることで、嫌みったらしく非難したり皮肉ったりする ~映画「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」の場合

アンディ「(おしゃべりに夢中でいつまで経っても車を発進させないゲイリーに呆れて)……そろそろ到着したか?」

映画「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」




◆概要

【「相手が絶対にノーと答える質問」や「トンチンカンな質問」を投げかけることで、嫌みったらしく非難したり皮肉ったりする】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:映画「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」

▶1

本作の主要キャラの1人・アンディ(40代頃の男性)。

彼は、ニュートン・ヘイブンという田舎町の出身である。しかしいまは都会に住んでいる。


いろいろあってある日、

・Step1学生時代の友人4人とともに、久々にニュートン・ヘイブンに遊びにいくことにしたアンディ。

・Step2:アンディたちは待ち合わせ場所に集合、ゲイリー(仲間の1人)の車に乗り込んだ。この車でニュートン・ヘイブンに向かおうというわけだ。


さぁ出発!

・Step3:と思いきや、ゲイリーはなかなか車を発進させない

・Step4:悪友たちが久しぶりに集まったということでテンションが上がっているのだろう、彼は運転そっちのけでペラペラペラペラとアホなことをしゃべりまくった。曰く「俺たちはまるで『五銃士』だな!」「『三銃士』だって?いやいや、実際には5人いたかもしれないだろ?」なんて具合だ。


こいつ、いつまでおしゃべりしているんだ!?

・Step5:アンディはあからさまにうんざりした顔になって「……そろそろ到着したか?」。――発進すらしていないのだから到着するはずがない。そう、皮肉である。

・Step6:だがアンディはちっともめげずに「よっしゃ!出発だ!」。ようやくアクセルを踏み込んだ。


▶2

ご注目いただきたいのは、「……そろそろ到着したか?」というアンディのセリフである。

要するに「ハァ、いつまでしゃべってるんだよ。そろそろ発車しろよな」と呆れているわけだが――ストレートにそう言ってしまってはまったく面白くない。

そこで【「相手が絶対にノーと答える質問」や「トンチンカンな質問」を投げかけることで、嫌みったらしく非難したり皮肉ったりする】という技法の出番だ。「ハァ、いつまでしゃべってるんだよ。そろそろ発車しろよな」を「……そろそろ到着したか?」という皮肉に置き換えたことで、スマートで格好いいシーンになったといえるだろう。


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