見出し画像

「ノー」と言う代わりに、「イエス。もしも○○ならね/ただし××だけどね」と答える ~ドラマ「コミンスキー・メソッド」の場合

サンディ「ちゃんと病院に行ってきたよ。生体検査も受けた。いまは結果待ちだ」
リサ「(同情して)結果が出るまでさぞ不安でしょうねぇ……」

サンディ「そうだろうなぁ。現実逃避していなければ」

ドラマ「コミンスキー・メソッド」(第4話)




◆概要

【「ノー」と言う代わりに、「イエス。もしも○○ならね/ただし××だけどね」と答える】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:ドラマ「コミンスキー・メソッド」(第4話)

▶1

本作の主人公は、サンディ(70代半ばの男性)。

彼は以前から体調が思わしくなく、ついに病院で検査を受けた


で、検査後のこと。

・Step1:サンディは恋人のリサに報告した「ちゃんと病院に行ってきたよ。生体検査も受けた。いまは結果待ちだ」。

・Step2:リサは同情する「結果が出るまでさぞ不安でしょうねぇ……」

・Step3:サンディはうなずいた「そうだろうなぁ。現実逃避していなければ」。――つまり、彼は現実逃避しているので不安なぞ感じていないというのだ。

・Step4:その言葉にリサは笑った「賢いわね」。


▶2

ご注目いただきたいのは、「そうだろうなぁ。現実逃避していなければ」というサンディのセリフである。

要するに、リサの問いかけに対して「ノー。だって現実逃避しているから」と答えたわけだが――ストレートにそう言ってしまっては何も面白くない。

そこで【「ノー」と言う代わりに、「イエス。もしも○○ならね/ただし××だけどね」と答える】という技法の出番だ。「ノー。だって現実逃避しているから」を「イエス。ただし現実逃避していなければね」と言い換えたことで、ユニークなセリフになったといえるだろう。


◆他のアイデアも見る👀

この記事が参加している募集

#とは

57,748件

最後までご覧いただきありがとうございます! 頂戴したサポートはすべてコンテンツ制作に使います!