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おかしな「罵倒・口喧嘩」 ~ドラマ「ブレイキング・バッド」(シーズン1)の場合

ウォルター「もううんざりだって言ったんだよ!お前にも、お前の眉毛にもうんざりだ!」

ドラマ「ブレイキング・バッド」(シーズン1の第1話)


◆概要

【おかしな「罵倒・口喧嘩」】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。


◆事例研究

◇事例:ドラマ「ブレイキング・バッド」(シーズン1の第1話)

▶1

本作の主人公はウォルター(50歳の男性)。

彼は高校の化学の教師だ。しかしそれだけでは生活が厳しいので、洗車場でアルバイトをしている。

洗車場のオーナーは、ボグダンという名のオッサン。零細企業の経営者らしく押しが強く、強引な性格だ。ウォルターはボグダンのことが大嫌いである……が、金のためだ。家族のためだ。ぐっと怒りを堪えて彼の指示に従っていた。


ある日のこと。

・Step1:いろいろとトラブルが重なり、人生に絶望したウォルター。そんな中、いつものようにボグダンが小言を並べた。かくしてウォルターのイライラは限界を超えた

・Step2:ウォルターはじろりとボグダンを睨みつけた。そして吐き捨てるようにこう言った「もううんざりだ!」(Fuck you, Bogdan!)。ボグダンは呆気にとられる「えっ……?」。

・Step3:ウォルターが怒鳴る「もううんざりだって言ったんだよ!お前にも、お前の眉毛にもうんざりだ!」(I said fuck you, and your eyebrows!)。ウォルターは「チクショウ!」と叫びながら店を出て行った。


▶2

ご注目いただきたいのは、Step3のウォルターのセリフである。すなわち「お前にも、お前の眉毛にもうんざりだ!」。


上述の通り、様々なトラブルが重なって人生に絶望してしまったウォルター。彼が、普段からムカついていた上司に暴言を吐いてしまったのもまぁわからないではない。

しかしそれにしても……「いきなり『お前の眉毛にもうんざりだ!』って(笑)」「相手の身体的特徴を攻撃するのは止せ!(笑)」「確かにボグダンの眉毛は特徴的だからなぁ。黒々としていて、しかもぶっとい。まるで焼き海苔だ。ウォルターはこれまでずっと心の中で『なんだその眉毛は!』とか『変な眉毛のくせにえらそうにしやがって!』とか毒づいてきたんだろうなぁ(笑)」と思わず噴き出してしまった鑑賞者は少なくないだろう。


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