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格好いいこと・しゃれたことを言った人を、からかったり皮肉ったりする(「いまのは○○のパクりかい?」というふうに発言それ自体をネタにするver.) ~映画「ショーン・オブ・ザ・デッド」の場合
ショーン「(ゾンビとの決戦を前に皆を鼓舞する)皆で力を合わせるんだ。1人が弾丸を装填して、他の者が見張る。そして俺が撃つ。――バートランド・ラッセルも言っている。『人類を救済する唯一の方法、それは助け合うことだ』と。この言葉を拠り所にしよう!」
↓
リズ「(ショーンに)いまのあれ、コースターに書いてあったんでしょ?」
ショーン「うん。ギネスビールのコースターにね」
◆概要
【格好いいこと・しゃれたことを言った人を、からかったり皮肉ったりする(「いまのは○○のパクりかい?」というふうに発言それ自体をネタにするver.)】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:映画「ショーン・オブ・ザ・デッド」
▶1
本作の主人公はショーン(30歳頃の男性)。
彼は、パッとしない青年である。仕事では後輩にバカにされ、義父とは上手くいっていない。いつもパブに入り浸って酒を飲むばかり。恋人にもフラれてしまった。
そんなある日のことだ。
・Step1:ふいにゾンビパニックが発生。街はゾンビであふれかえった。
・Step2:ショーンは親しい友人たちとともに、馴染みのパブに立てこもった。
・Step3:だがやがて店はゾンビに囲まれてしまった。やつらはいまにも店内に入ってきそうだ。
かくしてショーンは決意した。
・Step4:ライフルはたった1丁。弾丸はわずか29発。しかし――これで戦うぞ!
・Step5:ショーンは友人たちを鼓舞した「皆で力を合わせるんだ。1人が弾丸を装填して、他の者が見張る。そして俺が撃つ」「バートランド・ラッセルも言っている。『人類を救済する唯一の方法、それは助け合うことだ(The only thing that will redeem mankind is cooperation.)』と。この言葉を拠り所にしよう!」。
・Step6:この時、リズ(友人の1人)が「あれ?」という感じの顔をする。
※補足:バートランド・ラッセルはイギリスの哲学者。
というわけで、
・Step7:各自ゾンビとの戦いに向けて準備を始めた。
・Step8:そんな中、リズがショーンに近づいてきて「いまのあれ、コースターに書いてあったんでしょ?」。
・Step9:ショーンがうなずく「うん。ギネスビールのコースターにね」。
・Step10:リズが言う「皆には黙っていてあげる」。
・Step11:ショーンは「ありがとう」。
▶2
ご注目いただきたいのは、「いまのあれ、コースターに書いてあったんでしょ?」というリズのセリフである。
要するに彼女は、皆を格好よく鼓舞したショーンを冷やかしているわけだが――これがいいと思うのだ。
だって本作はコメディ作品。決戦を前に主人公が皆を鼓舞するのはいいが、しかしそれだけで終わってしまってはあまりにも格好よすぎる。笑いどころがほしい。そこでこの冷やかしである。
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