見出し画像

おかしな「謙遜・自虐・自嘲」 ~ドラマ「トリック」の場合

矢部「素人考えかもしれませんけど……」
上田「いや、それは、決して素人考えじゃありませんよ。それ以下です」

ドラマ「トリック」(第1話)


◆概要

【おかしな「謙遜・自虐・自嘲」】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。


◆事例研究

◇事例:ドラマ「トリック」(第1話)

▶1

本作の主要キャラの1人・矢部(男性、40歳頃)。

彼は、警視庁公安部所属の警部補である。


ある日のこと。

・Step1:矢部は部下と共に、上田(物理学の研究者)の研究室を訪問した。

・Step2:矢部は知恵を貸してほしいと頼み、「地震をばですねぇ、人工的に起こすなんてことはこれ、可能なんでしょうか?」と問うた。というのも……じつは昨夜の地震が、とある宗教団体によって意図的に引き起こされたものではないかと彼は睨んでいたのだ。

・Step3:矢部は改めて訊く「素人考えかもしれませんけど、教団の信者全員で地面踏み鳴らしたら、地震くらいは起こせんのと違いますか?」。

・Step4:すると、上田はニコリともせずにこう言った「いや、それは、決して素人考えじゃありませんよ。それ以下です。あり得ません!」

・Step5:直後、矢部は笑い出した「アハハハ」。かと思いきや、急に声を荒げて部下を一喝「素人以下じゃ、お前は!」。さらに上田に向かって愛想笑いして「私が考えたんじゃなくて、こいつが考えたんです。すんません、お忙しいところ」。そう、部下に責任を押し付け始めたのだった。


▶2

ご注目いただきたいのはStep3-4のやりとりだ。

矢部は「素人考えかもしれませんけど」と謙遜しつつ質問した。ところが上田は「素人考えじゃありませんよ。それ以下だ」


「せっかく謙遜したのに、謙遜し足りなかったらしい(笑)」「素人以下って(笑)」と思わず噴き出してしまった鑑賞者は少なくないだろう。


◆他のアイデアも見る👀

この記事が参加している募集

#とは

57,808件

最後までご覧いただきありがとうございます! 頂戴したサポートはすべてコンテンツ制作に使います!