似て非なる言葉・表現を「Aだがaではない」というふうに並べる ~アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の場合
◆概要
【似て非なる言葉・表現を「Aだがaではない」というふうに並べる】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」(第8話)
▶1
本作の主要キャラの1人・葛城ミサト(女性29歳)。
彼女は、「NERV(ネルフ)」という組織に属する戦闘指揮官である。
敵は謎多き生命体「使徒」。人類の未来のために、汎用人型決戦兵器「エヴァンゲリオン」を使って使徒と戦うのが彼女の使命だ。
いろいろあってある日、
・Step1:太平洋を航行していた国連軍の艦隊が、使徒から攻撃を受けた。
・Step2:かくしてエヴァンゲリオン弐号機が出撃!
・Step3:しかし使徒は強い。苦戦する。
やがてミサトは、
・Step4:素晴らしい作戦を閃いた。
・Step5:彼女はすぐに艦長に「ご協力をお願いします」。曰く「アンビリカルケーブルの軸線上に無人の戦艦2隻を自沈させ、罠を張ります。その間にエヴァ弐号機が目標の口を開口、そこへ全艦突入し、艦首主砲塔の直接砲撃の後、さらに自爆。目標を撃破します」。
・Step6:艦長は仰天する「そんな無茶な!」。
・Step7:一方のミサトは顔色ひとつ変えずに「無茶かもしれませんが、無理ではないと思います」。
・Step8:その言葉に艦長は「……わかった」。
・Step9:かくして前代未聞の作戦が始まった。
▶2
ご注目いただきたいのは、「無茶かもしれませんが、無理ではないと思います」というミサトのセリフである。
この場合の【無茶】は「通常では考えられないメチャクチャな」という意味、【無理】は「不可能な」という意味だろうから、要するにミサトは「通常では考えられないメチャクチャな作戦かもしれませんが、不可能ではないと思います」と言っているわけだ。
しかし――ストレートにそう言ってしまっては何も面白くない。
そこで【似て非なる言葉・表現を「Aだがaではない」というふうに並べる】という技法の出番だ。
改めてミサトのセリフをご覧いただきたい。
「無茶かもしれませんが、無理ではないと思います」。
字面がよく似ており、意味合いも近しいところがある【無茶】と【無理】という2つの単語を並べたことで、格好いい決めゼリフになったといえるだろう。
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