記事一覧

左様なら

わたしの偏屈なところが好きって 言ってくれたのに もうなくなっちゃった 誰にも教えてないすきなもの 教えてあげたのに きっと忘れちゃったの 左様ならば 一瞬を使い古さ…

実果子
1か月前

生活

駅裏の古いアパートを借りないか ベランダでいっしょに煙草を吸いたいんだ 軋む床で君と踊りたいんだ 眩い朝はもう少し布団に潜ろう このままずっと このままきっと 僕ら…

実果子
1か月前

こんなどうしようもない夜は 星を数える 間違っていないよって言って 正解なんかいいから 君がくれたプレゼント ぼくには禁断の果実 神さまはいじわるだな やさしさがぼ…

実果子
1か月前

蛇にピアス

蛇にピアスを観て 痛みを感じていないと生きてることが 実感できない 私のこの刹那的な感情も刹那的な行動も 全部肯定して 潰してみてほしかった ころしてほしいと 願っ…

実果子
1か月前
2

ほんとごめんね

ねえ 今日は月が大きいよ 空が青いね 道端に咲いているお花を見つけたの ほんとうは そういったものを もっといっしょに大事にしたかったな ふたりで聴いたあの曲 日常にあ…

実果子
1か月前

ぼくら

雨が降る夜は 君の声が聴きたくなる 君のこと好きかは分からないけど 好きだよ 曖昧さを怒ったりしないで 賢いことばかり言う君は  ちょっときらいなの ぼくら何十回も…

実果子
2か月前

愛のゆくえ

ふつうをあげられなくてごめんね だけどその手は なによりもあたたかったの 欠けたものより手に入れたもの方が きっと多いね ぼくは知ってる ぼくがいちばんうつくしいこ…

実果子
2か月前

光を見た 忘れていたぼくを 君が思い出させてくれたの ありのままでいいよ 大人になる 生活が下手になる 起きられない朝は 昨日より眩しくない うまく泳げない たくさん…

実果子
2か月前
1

海にいこう

昔から海がすきだった。それは別に、泳ぐのがすきだからではない。ただ、いつもそこにあったから。それだけだ。 わたしは泳げない。 わたしたちの前に流れる日々は海に似て…

実果子
3か月前
6

蒸し暑くなってきたので窓を開けてみたら、入ってきた風はひんやりとしていて、やはりまだ少し肌寒い。 夏は容赦なく怠惰に流れる毎日を侵攻してきている。ちょっとくらい…

実果子
3か月前
2

光の中に

白い壁に薄く揺れるドアスコープの虹をもう一度みたい、と思った。 小さな光でよかった。 普通じゃなくていい。 きらきらなんてしていなくていい。 あなたとの生活、夜…

実果子
3か月前
1

左様なら

わたしの偏屈なところが好きって
言ってくれたのに
もうなくなっちゃった
誰にも教えてないすきなもの
教えてあげたのに
きっと忘れちゃったの

左様ならば
一瞬を使い古さないで
誰にも分からないこと
君には分かってほしいと思ってた
左様ならば
in the night

わたし君の宇宙になれたかな
そうだねなんて
君には言えないよ
左様ならば
君はわたしの宇宙じゃない

誰にもなれないものになれたら

もっとみる

生活

駅裏の古いアパートを借りないか
ベランダでいっしょに煙草を吸いたいんだ
軋む床で君と踊りたいんだ
眩い朝はもう少し布団に潜ろう

このままずっと
このままきっと
僕らいられるよね

繰り返すいつもの日曜
もう来ないかもしれない
なんて誰も思ってない

公園の横の平屋はどうかな
外に出て一緒に星を数えたいんだ
畳の上で温かな昼を
眠れない夜はギターを弾いて

このままずっと
このままきっと
僕らいら

もっとみる

こんなどうしようもない夜は
星を数える
間違っていないよって言って
正解なんかいいから

君がくれたプレゼント
ぼくには禁断の果実
神さまはいじわるだな

やさしさがぼくをこわしていく
だからずっとずっと
そばに居て
世界中が敵でも
その手を離さないから

こんなどうしようもない夜は
宇宙に駆ける
意味分かんないって笑って
分からなくていいから

繋いできた日々
何億光年先まで
星になって照らして

もっとみる

蛇にピアス

蛇にピアスを観て

痛みを感じていないと生きてることが
実感できない

私のこの刹那的な感情も刹那的な行動も
全部肯定して
潰してみてほしかった

ころしてほしいと
願ったあの夜

ほんとにおもってたのに
あの人こわがるから
冗談にした

ころせないならやさしくしないで

そんなこと今の君にはぜったい言えないな

薄暗いこの感情隠して隠して
秘密を抱える

君がほんとうにすきだから
初めて出会った

もっとみる

ほんとごめんね

ねえ
今日は月が大きいよ
空が青いね
道端に咲いているお花を見つけたの
ほんとうは
そういったものを
もっといっしょに大事にしたかったな
ふたりで聴いたあの曲
日常にありふれていたものばかり
知ってる?
気付いていたのは僕だけだった

誰かが書いたあの曲よりも
誰かの目を気にすることよりも
もっと素敵なことあること
僕は知ってる
だからごめんね
君とはさようなら
教えてあげられなくてごめんね

もっとみる

ぼくら

雨が降る夜は
君の声が聴きたくなる

君のこと好きかは分からないけど
好きだよ

曖昧さを怒ったりしないで
賢いことばかり言う君は 
ちょっときらいなの

ぼくら何十回も何百回も
はなしをしよう
キスをしよう
それからいっしょに眠ろう

寂しい夜はきっとなくならないけど
君が横にいてくれたら
それでいい

日曜の朝は
君と手を繋ぎたくなる

分かってないのに分かったフリ
バカだな

素直じゃないと

もっとみる

愛のゆくえ

ふつうをあげられなくてごめんね
だけどその手は
なによりもあたたかったの

欠けたものより手に入れたもの方が
きっと多いね

ぼくは知ってる
ぼくがいちばんうつくしいことを
ぼくは知ってる
だってぼくにはここがあるから

今日は笑えなくてごめんね
見つめたその瞳は
なによりもやさしかったの

かなしいことがあったら全部
分け合おう

ぼくは知ってる
ぼくがいちばんしあわせなことを
ぼくは知ってる

もっとみる

光を見た
忘れていたぼくを
君が思い出させてくれたの
ありのままでいいよ

大人になる
生活が下手になる
起きられない朝は
昨日より眩しくない

うまく泳げない
たくさん抱えていたいのに
重くないのと囁く

もうぜんぶこわしたいと願っても

光を見た
分からないぼくに
君が教えてくれたの
ありのままでいいよ

よく笑うあの子より
不器用な日々
眠れない夜は
今日も少し寂しい

やさしくいたい
分か

もっとみる

海にいこう

昔から海がすきだった。それは別に、泳ぐのがすきだからではない。ただ、いつもそこにあったから。それだけだ。
わたしは泳げない。
わたしたちの前に流れる日々は海に似ていると思う。ゆらゆらとただ流れて、ときどき大きな波が来て、また静かになる。
海の底は暗くて、上に行くほど明るい。
つよい魚がいつだって優勢で、泳げない魚なんて生きていないのと同じだ。そして、欲を持つとばかをみる。
でもそんなことは考えない

もっとみる

蒸し暑くなってきたので窓を開けてみたら、入ってきた風はひんやりとしていて、やはりまだ少し肌寒い。
夏は容赦なく怠惰に流れる毎日を侵攻してきている。ちょっとくらい待ってくれればいいのにと思う。焦ったって仕方ないのだ。

わたしは夜がすきだ。夜は孤独で寂しくて無限だ。どこへだっていける。
夜だからといって、すきなひとに電話をかける。愛を必死に手探りするその痛々しさと弱さをわたしは無駄だとは思わない。寧

もっとみる

光の中に

白い壁に薄く揺れるドアスコープの虹をもう一度みたい、と思った。

小さな光でよかった。

普通じゃなくていい。

きらきらなんてしていなくていい。

あなたとの生活、夜と朝を繋ぐ作業。

不器用だったけど、私なりの愛を精いっぱい込めていた。

暗くて狭い部屋。

ふたりだけの世界。

長い睫毛を数えてみる。

黒く透ける髪を触ってみる。

ほくろで名前のない星座をなぞってみる。

薄い肌につけた小

もっとみる