蒸し暑くなってきたので窓を開けてみたら、入ってきた風はひんやりとしていて、やはりまだ少し肌寒い。
夏は容赦なく怠惰に流れる毎日を侵攻してきている。ちょっとくらい待ってくれればいいのにと思う。焦ったって仕方ないのだ。

わたしは夜がすきだ。夜は孤独で寂しくて無限だ。どこへだっていける。
夜だからといって、すきなひとに電話をかける。愛を必死に手探りするその痛々しさと弱さをわたしは無駄だとは思わない。寧ろ愛している。

時々何もかもがどうでもよくなる瞬間があって、そのせいでわたしはたくさんのものをこわしてしまった気がする。わたしは何にも大事にできないのだろうか。その度にぼろぼろになっていくわたしの体と心は、そろそろわたし自身にも付き合いきれなさそうなのに、まだ生きている。どうしようもないな。

特に宗教を信仰しているわけではないのだけれど、わたしはいつもかみさまに祈っている。それなのに、かみさまは永遠をくれない。永遠は愚か、少しのおねがいさえくれない。だから、わたしはもう何にも期待しない。信じない。それなのに、まだ祈ることがやめられない。

信じられることがどれだけうれしいかを知った、19歳の冬。信じることがどれだけくるしいかを知った、20歳の春。
20歳の夏は、何を知ることができるかな。

隣にもういない人のことを考える夜ばかりで、ずっとまともな夢を見ていない。迫り来る夏のせいかな。きっと熱帯夜より寝苦しいな。
今夜はあなたが知らないロックスターがわたしのもとを訪れてくれればいいのに。どうかわたしの宇宙になりたいと歌ってくれればいいのに。
かみさまにまた願ってみる。

かみさまって一体なんなんだろう。誰なんだろう。もしかしたら、かみさまはわたしと同じで、もうずっと前から信じられることがくるしいのかもしれない。そう思ったら、なんだかすごく寂しい気持ちになった。

わたしはわたしが今日何を食べたいかも分からない!
なのに、あなたが何を考えているかをずっと考えている。
そんなこと到底分からないのに、どうしようもなく分かりたくて仕方なくなっている。
あなたが何を信仰して、何が好きなのか。
あなたの哲学をしりたいです。

今日もだれかせいで宇宙は混沌としたまま、真空としている。もはや、あなたどころではないな。放っておいて、明日は早く起きて朝ごはんを食べて、素敵な一日を始めよう。

おやすみなさい、かみさま。今日はいい夢を見させてね。
できるなら、夢であの人に会いたいよ。

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