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【週末投稿】つれづれ有用植物#209(クワ科コウゾ属:カジノキ)

カジノキ(梶の木)は落葉広葉樹の高木で、10~12mくらいの高さまで成長します。日本では本州中部以南、中国の中南部、インドシナ、マレーシアなどに分布しています。

【カジノキ】

開花時期は 5月~6月頃で、雌雄異株です。
雌花序は直径2 cmほどの球状につき、紅紫色の花柱が伸びます。
雄花序は長さ 4 ~ 8 cm で穂状に下垂し、淡緑色です。

【雌花序】

果期は9月頃です。
果実は直径 2 - 3 cmほどの集合花で、秋に赤く熟して食用になります。

【雌花序と果実】

昔から樹皮を繊維として利用されてきました。
古墳時代には栲樹(たくのき)と呼ばれ、木皮から木綿を作ったそうです。

東南アジアから南方太平洋地域では、古くは樹皮の繊維を用いて衣料あるいは縄に用いられてきました。

またコウゾと同様に和紙の繊維原料とされていました。
中国の伝統紙である画仙紙(宣紙)は主にカジノキを用いたそうです。
しかしコウゾよりも質が劣るため、現在は紙としての利用が少なくなったそうです。※コウゾも同じクワ科コウゾ属です。

【コウゾ】
【樹皮から採れた繊維】

また、古代から神に捧げる神木として尊ばれていた為、神社の境内などに多く植えられています。

【カジノキ の葉】

煙などにも強い植物のため、中国では工場や鉱山の緑化に用いられたり、
葉は、豚・牛・羊・鹿などの飼料(飼い葉)として利用されています。

【カジノキ 幼木の葉】

■願い事は「カジノキの葉」に…「旧暦の七夕」に平安時代の七夕(30秒)
読売テレビニュース 様

■カジノキ・果実(2023年9月10日)(4分弱)
公式】京都府立植物園 様


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