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【週末投稿】つれづれ有用植物#112(トクサ科トクサ属:スギナ)

春になり少しづつ緑が増えだす頃に、道端や土手、畑や野原などにツクシが生えてきます。ツクシは春先に地上部に出現する「胞子茎」の事で、植物全体としては「スギナ(ホーステール)」と呼ばれています

ツクシの季節が終わると、地下茎でつながっている同じ場所から栄養茎(スギナ)が生えます。栄養茎は高さは30センチメートル前後になり、緑色で光合成を行い、節に鞘状の変形葉がついて、枝が輪生します。

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PinguBanana は、ツクシが生えてくると、思わずにんまりしてしまいます。
過去にツクシにまつわる楽しい経験があったからだと思います。
全く知らない状態から、急に特定の植物に関心を持つことは難しいのではないでしょうか。専門家や植物に関係する仕事をしている方、または植物好きの方がSNSや書籍の紹介記事に触れる事で興味を持ち始める事が多いと思っています。

私の場合は親とツクシを一緒に摘んだり、料理して食べさせてくれた思い出があったから、毎年ツクシが出てくるとわくわくするのかもしれません。
PinguBanana は子供が小さい時、散歩途中に「あっ、あそこにツクシがあるよ!」と教え、興味を持たせ、いっしょに摘んで楽しい経験をさせた思い出があります。その後本人がツクシに対してどう思うか、感じるのか、子供が結婚して子供が出来た時、ツクシ摘みの楽しさを伝えてくれるだろうか?
なんて考えてしまいました。でもそれらの体験は子供の価値観にどう関係してゆくのかという事でありますから、親の役目はこれで終わり。同じような事を文化として多くの親が子に教え、大切だと思った人が大人になり、また後世に伝えてくれればいいのかなと思っています。

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【イメージ】

さて、少々脱線気味になってしまいましたが。これだけでも有用植物としての価値があると勝手に思っていますが、このシリーズは食文化に関する有用性をご紹介していますので話を進めましょう。

■ツクシ料理
総じて食べる事で季節を楽しむ傾向が強く、実はそんなに美味しい食材ではないのかもしれませんが、いくつかの料理がいろいろ紹介されています。

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袴の部分を取り除いて、食べやすい大きさに切り、油炒め、卵とじ、炊き込みご飯、佃煮などにするのが代表的でしょうか。
韓国でも料理例があるそうですよ。

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■スギナ茶
スギナは駆除が難しい植物でもありますが、生薬やお茶として利用できます。栄養茎(スギナ)の部分は、ハーブとして扱えます。
スギナ茶には、ケイ素・カリウムを多く含み、体調を整える効果があるそうです。ただし心臓、または腎臓の機能不全の方、ニコチンに対する過敏症の方は使用を避けた方が良いとのコメントが出ています。

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【PinguBanana 宅での影干し】

乾燥させた後、軽くフライパンで炒ってからお湯を注ぐとお茶が出来ます。癖が少なく飲みやすいです。生の葉でもお湯を注いでお茶に出来ますが、乾燥したものよりは多めに入れないと薄くなってしまう様です。

お好みで、ヨモギ葉とブレンドするのも楽しそうです。
レシピはネットでいろいろ発表されていますから参考にされて研究すると良いでしょう。

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■生薬として
栄養茎は利尿作用がある生薬にもなります。水洗いをして天日乾燥したものは問荊(もんけい)と呼ばれます。

ヨーロッパでは民間療法で湿疹などを和らげる効能を期待して活用されていました。スギナの乾燥葉を浴湯料として、風呂に入れて入浴していたそうです。

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