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【週末投稿】つれづれ有用植物#160(マメ科トビカズラ属:ハッショウマメ)

マメ科の植物は、一般的に人に対して毒を持っているものが多く、食用種でも調理の仕方が適切でなかったり、酵素を分解できない一部の人が中毒(下痢を含む)を起こす事例が出ています。

このハッショウマメも毒を含んでいる為、加工品を摂取するか、生豆から料理する際は、茹でて食用とするのが無難の様です。

江戸時代までは比較的多く栽培されていたそうですが、豆が硬くて調理に手間が掛かることから、現在は殆ど栽培されなくなってしまいました。
しかし植物全体に L-dopaが多く含まれているため(マメに5%、葉や根に1%)再び見直されています。

L-dopa は中枢神経系に存在する神経伝達物質で、活力を与えるほか、パーキンソン病・アルツハイマー病・認知症の予防・改善に効果があると事が分かっています。ハッショウ豆は、市販のドーパ製剤に比べて安定的に脳に作用し、摂取後の経過時間による効果の減少が緩やかという特徴があるそうです。

ハッショウ豆は、同じトビカズラ属の「ビロードマメ」の変種の一つと言われており、海外にはいくつもの品種があります。別名「ムクナ」とも呼ばれます。

【灰白色】

灰白色は日本で多く生産されている種の様です。

【黒色】

黒色はインド産が多い様です。

【斑入り】

斑入りのタネはアメリカ由来と言われています。

【ハッショウマメの苗】

原産地はヒマラヤ南山麓と言われており、インド・東南アジアに広く分布し、世界中の熱帯・亜熱帯で昔から栽培されています。
強健かつ多収性の作物ですが短日植物のため、四季のある日本では地域によっては秋の結実が冬にずれ込みます。沖縄を始め熊本県、和歌山県でも栽培されているそうですが関東が北限と言われています。

荒れた土地でもどんどん成長し、ツルを伸ばしてとても大きく広がります。花や成長の勢いはクズにとても似ています。

【PinguBanan んちの ムクナマメ】
【花】

沖縄では11月初旬ころに開花して、寒くなって植物がからからに枯れる翌年の2月頃に収穫となるそうです。茎や葉は飼料や緑肥にも利用されます。

Pingu Banana んちのハッショウマメは、果たして寒くなる前に実るのでしょうか??

【PinguBanana んちの蕾】

実ができてきました(R4.12)


■ムクナ豆栽培普及プロジェクト・福岡県大刀洗町(1分強)
もっと福岡 様


自然の L-dopa を摂る事ができるハッショウマメ。上手に調理して無理のない摂り方が大切ですね。

・生食すると下痢等の体調不良を起こします。
L-dopaを分解しない温度で十分加熱してから食べます。100℃加熱では殆ど問題ありません。

・水に長い間漬け込まない
L-dopaは水溶性で、水に浸すと豆からどんどん溶け出すそうです。
必要に応じてさっと水を掛けるだけに止め、極力少量の水で調理し、煮汁も全部いただくと良いそうです。

・食べ過ぎない
1回3粒、一日3回”が目安と言われています。食べ過ぎると不随意運動、低血圧、不眠、幻覚等の不具合が現れると言われています。
摂取はくれぐれも自己責任でお願いしますね。





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