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【週末投稿】つれづれ有用植物#95(モクセイ科イボタノキ属:ネズミモチ)

今は暑くてやっていないのですが、サラリーマンの PinguBanana は会社の3つ手前の駅で降りて、あちこちの界隈を歩きながら会社へ通っていました。

読者お察しのとおり、健康のためという理由もあるのですが、朝早く界隈や河川敷を歩きますと、鳥やさまざまな植物との出逢いがあるので、楽しみしているという事もあります。

ただ単に歩いているだけでは出逢いはなかなか巡ってこないものですが、気に成った植物を次の散歩の機会にも観察していると、「気になる植物達」が増えて行きます。そして「気に成る植物達」の事を積極的に調べなくても、意外と偶然にしてその植物たちの名前だったり、文化だったり、薬効などを知る事になります。潜在意識がそうさせるのでしょうね。

今回はそんな PinguBanana の気に成る植物の一つとして、ネズミモチをご紹介しようと思います。

ネズミモチは濃い緑色の葉と美しい白い花、秋になると実を楽しませてくれる常緑性の花木です。成長すると2~6mほどの高さになります。
原産地は中国をはじめ、朝鮮半島や台湾などで、日本は主に、関東以西の低地に多く見られます。

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公害や化学物質にに強いことから、公園緑化樹などに利用されたり、成長が早いので背が高い生垣として、可憐な白い花を咲かせるので庭木にも利用もされています。名前の由来は、紫黒色に熟した果実がネズミの糞を連想させ、全体がモチノキに似ているからなのだそうです。もっと可憐な名前を付ければいいのにね。

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5月から6月頃に、新しい枝先に白い小花を円錐状に咲かせます。
花は独特の異臭がしますが、意外にも蜜源植物としても有効で、ニセアカシアやクリの花期が終わった後の補助をしてくれます。

秋になると、実が熟して多くの鳥たちがついばみにやってきます。
ネズミモチの中でも、実が球形に近いものは「トウネズミモチ」と呼ばれる近縁種となります。

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【実をついばむ ジョウビダキ】

■生薬としてのネズミモチ

ネズミモチは観賞用というより「女貞子(じょていし)」という生薬(果実を乾燥させたもの)として有名なんです。古くから生薬として親しまれており、強心、利尿、緩下、強壮などの薬として利用されてきました。

ちょっと興味を持たれた方は、ご自分の庭木や界隈で花や実をチェックしてみてくださいね。意外と身近に生えている事がありますよ。

実、葉、枝、すべてに薬効がありまして、以下の様にご家庭でも利用ができます。


葉を陰干しにして、粉末状にした後煮出し
実の場合は、カラカラになるまで天日干ししたものを、実と水を1:50の割合で弱火で20分ほど煮る

ネズミモチエキス
葉や実を水に漬けて2日ほど放置し、水に溶け出た薬効成分を濾して不純物を取り除いた後、煮詰めてドロッとした感じになったら完成。
1日量は耳かき1~2杯。

ネズミモチコーヒー
カラカラになるまで天日干ししたものを、フライパンで弱火で焙煎します。香ばしい香りが出るまで1時間くらいゆっくりと行います。
コーヒーミルや、粉砕機で粉にします。3gを普通にコーヒーを淹れる要領でフィルターに入れドリップします。3杯ほど採れ、これが1日の適量となるそうです。

ネズミモチ丸薬
1日に2~3粒飲めば十分の様です。

1) 実を良く洗って、鍋に入れ、ひたひたの水で煎じ、実が手で簡単につぶれるくらいになったら、冷ましてからミキサーにかけます。
2)目の細かいざるでこし、もみ殻状の硬い皮を取り除きます。
3)始めは中火、少なくなってきたらトロ火にして、焦がさないように注意しながら煮詰め、水分を飛ばします。
4)あんこのようになったら、バットに伸ばして天日で乾燥させます。
5)粘土くらいの成形できる固さになったら、新聞紙の上で転がしながら、ひも状にします。
6)手にシナモン(片栗粉でも可)をつけ、ひも状のネズミモチを竹串で実の大きさくらいに切り分け、手で丸めていきます。
7)さらに何日か乾燥させ、丸薬の水分が飛んで、固くなったら出来あがりです。

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■ネズミモチ丸薬(約1分10秒)
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ぜに、身近に入手できる方はトライしてみると良いでしょう。
摂取していると、少しづつ効果が表れるそうですよ。

■併せて読みたい
Let's Green Life 残念なネーム。でも用途は沢山のネズミモチ。


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