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【週末投稿】つれづれ有用植物#116(ショウガ科ショウガ属:ショウガ)

熱帯アジアが原産地とは言われていますが、野生のショウガが発見されていないので、厳密には不明と言われています。
しかし人との関わりは古く、インドでは紀元前300 から 500年前には、すでに保存食や医薬品として使われていたそうです。

ショウガと似た植物でウコン(ターメリック)というものがありますが、こちらは、ショウガ科ウコン属になります。

ショウガとターメリック

【ショウガ左、ウコン右】

ショウガの用途は広く、根茎部分は香辛料として食材に、また生薬として利用されています。ヨーロッパでは、スパイスとして乾燥品を使うのが一般的ですが、生で食べるのは日本独特の習慣の様です。

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日本では、生ショウガを使った食文化が発達しました。
そのため、収穫時期により様々な利用用途に使われてきました。

香りと辛味成分が高まる11月が旬とされる「根ショウガ」の他、「新ショウガ」は、初夏に収穫してすぐに出荷される根ショウガで、表面は白っぽく、つけ根には赤味があります。根ショウガよりも辛味は弱く、皮に筋が少なくて軟らかくみずみずしい。生食や甘酢漬けなどにします。
「葉ショウガ」は、春から初夏の若いうちに葉が付いたまま収穫され、初夏が旬とされます。味噌をつけて生食したり、魚の付け合わせ、甘酢漬けなどにします。

薄くスライスした甘酢漬けは、寿司と共に出され「ガリ」と称して消化促進や殺菌作用を期待されてきました。魚の臭みを取る為に、刻みショウガを入れて煮込む事もありますね。

紅ショウガや甘酢に漬け込んだショウガは、いろいろな料理に添える事で、箸休め的に食欲を増進させる目的で利用されてきました。
カツオのたたきに薬味として擦り下ろしたショウガと一緒に食べるのは、魚の臭みを取るためだけではなく、食用増進にも効果があります。
PinguBananaは、日本人に生まれて良かったと思うのです。

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ちなみに紅ショウガの起源は、梅干しに利用して余った「梅酢」を捨てるのが「もったいない」と考えた大阪の人が、ショウガを漬け込んで利用する事を想いつき世に広めたそうです。今では食紅で代替した商品が多くなりましたが、今でも多くの人たちが紅ショウガの食文化を愛して止まない状況です。PinguBanana は〇〇〇屋の牛丼に行った時は、紅ショウガをてんこ盛りで食べるのが好きです!

姜葱醤 ジャンツォンジャン

【姜葱醤】

最近、中国の調味料である「姜葱醤(ジャンツォンジャン)」が流行っているみたいです。生姜とねぎ油が香る万能調味料です。餃子や蒸し鶏のつけダレ、うどんや豆腐にかけたり、炒め物や和え物、パスタの味付けや唐揚げなど様々な料理に合う様です。

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砂糖漬けにしたショウガはドライフルーツと共に利用されています。
ジンジャーエールというカラメルで着色したノンアルコールの炭酸飲料もあります。こちらは、シャンパン等の食前酒代りとして食前にそのまま飲まれるほか、カクテルの材料としても使われます。

ショウガは生薬としても、活躍します。
表面の皮を取り去り、蒸して乾燥させたものは乾姜(かんきょう)と呼ばれる。興奮作用、強壮作用、健胃作用があるとされています。

乾姜(カンキョウ)

熱帯原産であるショウガは日本では気温が足りず、花が開花することはごく稀で、根茎による栄養繁殖が主になります。寒さ・乾燥・連作を嫌う性質があります。

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