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【週末投稿】つれづれ有用植物#65(アブラナ科セイヨウワサビ属:ホースラディッシュ)

ピリッと辛いワサビ。日本古来よりある伝統的な薬味で、鼻を抜ける爽やかさとツーンとした刺激が古くから多くの日本人に好まれてきました。
さて今回ご紹介する「有用植物」は本家本元、日本原産のワサビ(ワサビ属)ではなく、セイヨウワサビとも呼ばれるホースラディッシュ(セイヨウワサビ属)のお話をしましょう。本家本元は次週にて。。

ホースラディッシュは、ワサビ畑のように清流が流れる所の栽培(水ワサビ)と違い、畑で栽培が容易にできるのため価格が安いです。
ヨーロッパ北部で栽培され、日本では気候が涼しい、北海道で主に栽培されています。摩り下ろす事で酵素が作用して辛味とワサビ同様な「ツーン」とした香味が発現します。

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海外では、主にローストビーフの薬味として欠かせないものとして利用されてきました。

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日本に旅行に来た外国人はひと昔前、納豆と並んでワサビは「いぶかしげな物」と一部では言われていましたが、昨今の寿司などの日本食ブームで海外でもワサビは有名になり、"Wasabi" という名称で認識されるようになりました。そして、ワサビの辛さや「ツーン」とくる刺激が受け入れられるようになり、今ではワサビを使ったいろいろな商品の試行が始まっています。

水ワサビは最近はイギリス、オーストラリアそしてカナダで生産が増えていますが、流通量の関係やローストビーフの薬味で慣れている事もあってからか、海外の多くの寿司ショップでは、ホースラディッシュを緑に着色したものをワサビとして出している所が多い様です(日本人の経営する海外の寿司屋さんは、水ワサビを出すところが多いそうです)。

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日本国内では「練りワサビ」等の加工品には、安価な為もあり着色したホースラディッシュを混ぜているものが多いです。ホースラディッシュ(西洋ワサビ)と区別して、「本ワサビ」などと呼ばれる事もあるのですが、実は原料にワサビを50%以上使用している場合には、他の種類のわさび(ホースラディッシュ等)が入っていても本わさびとして商品表記が可能なんですね。

日本ではワサビの代替品として利用される事が多い、ホースラディッシュですが、安価でさまざまな商品に利用され始めているという利点もありそうです。栽培は非常に容易で生命力が強く、根の断片を土中に埋めるだけで容易に発芽します。収穫の際に取り残したり、分断してしまった根からも増えますので、涼しい所にお住まいの方は、通販等で株を入手できますのでご自宅で栽培して収穫してみるのも楽しです。

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ワサビと同様に揮発性なので、擦ったらすぐに利用されるのが良いですが、味噌等に和えておくと、ある程度日持ちがします。

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