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【週末投稿】つれづれ有用植物#24(シソ科:メボウキ属 バジル)

 バジルは日本名、メボウキと呼ばれますがあまり馴染みが無い様ですね。
バジルを始め、シソ科の植物は独特の芳香があり、昔から人との関係が多い植物です。今回はバジルについてお伝えしたいと思います。

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【スィートバジル】

日本ではおなじみの「スィートバジル」は代表的な品種で、生の葉を利用するほか、ペスト・ジェノヴェーゼにしてパスタや他の料理にトッピングするなど多彩に利用されています。

 バジルは多年草ですが寒さに弱いため、日本では一年草として扱われることが多く、秋には株毎処分されることが多い様です。
暖かい部屋で越冬する事はもちろん出来るのですが、管理の手間、枝の木質化後の葉の品質(硬くなりやすい)など発生します。高品質な収穫効率を考えると越冬させるよりも、春に苗を購入したり、種から育てる方が楽な場合が多いと思われます。越冬させる場合は、適度に切り戻して短い丈にした後、掘り起こして室内で管理しましょう。

バジルは水挿しによって根をださせる事が容易なので、冬は水耕栽培に切り替えて、柔らかい葉を冬でも収穫している方もいらっしゃいます(日照の確保などそれなりのテクニックが必要です)。

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まぁ、私たち消費者は分類学のうんちくよりも、利用してみて美味しかったり、香りが良かったり、育てやすかったりと何らかの利点があれば、気にする必要はないのですがね。

パープルバジル

【ダークオパールバジル】

特徴的なバジルの 品種/交雑種/近縁種をご紹介しましょう。

■シナモンバジル
メキシコで生まれた栽培品種。
シナモンの香りがして、薄紫色の花が咲きます。観賞用にもいいですよ。
葉に甘い香があり、トッピングに使うだけで甘い香がします。スイートバジルと同様に使え、デザートや甘みにも合うので、ハーブシロップなどに向きます。

■ダークオパールバジル
スイートバジルの改良種で、ワイン色の葉色が特徴です。
香りはスイートバジルと同じです。ビネガーやオイル、リキュールなどに漬けておくと、ルビー色のおいしい香りと色を抽出できますよ。
ピンクのかわいらしい花が咲き、シソの花穂のように楽しむことも出来ます。

■タイバジル
タイ原産のバジル。葉は長く甘い香りがあります。葉をソース、料理やお茶にも最適。スイートバジルと比べると独特な野生的な香りが混じります。タイ料理ではおなじみのハーブで、グリーンカレーなどにもよく使われています。

■ブッシュバジル
スイートバジルの変種で、コンパクトで、葉も小さく、香りはスィートバジルに似ています。こぢんまりとした見た目に対して香りは強く、よく枝分かれしてこんもりと茂ります。スィートバジルよりも寒さに強く、葉が細かいので、飾りとしても使いやすいです。

■レモンバジル(雑交種)
レモンのやさしい香りがするバジル。
他品種とは大きく異なる強いレモン様の匂いと風味を持ちます。これはシトラールと呼ばれる物質を含むためです。インドネシアで広く使われる。
草丈50-100cmくらいになります。

■ホーリーバジル(近縁種)
インドの伝統医学アーユルヴェーダでは「不老不死の霊薬」とされ、その薬効で人々の心と体を長い間癒してきたハーブです。草丈は30~60cmほどに生長し、葉っぱに強い香りがあることが特徴です。味にクセがないことと、葉っぱの効果効能から、ガパオなどのタイ料理や、ハーブティーとしても利用されることで知られています。

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【ホーリーバジル】

バジルの種子を水に浸けると、グルコマンナンを多く含むためゲル化するため、透明のプルプルな物質が現れます。メボウキという名称は、このゲル化した種子を目のごみを取るために使ったことに由来するそうですよ。

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■種から育てる
バジルはあたたかい場所が好きな植物なので、発芽には20度以上が必要です。春の桜が散ってからの時期に種まきをするのがおすすめです。多くの地域では、5月以降が良いでしょう。
バジルは太陽の光を感じて発芽する植物です。土はかぶせないか、うっすらとかける程度にしてください。

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葉を効率よく収穫する方法として、花芽を摘んで摘心する方法が広く伝えられています。摘心する事で枝分かれしてたくさんの葉が収穫できます。

数株のみ花を咲かせて、来年様に種取りをするのも一考です。
好みの品種を栽培して楽しむ。ぜひお勧めしたいハーブです。

■PinguBanana のつたない動画です(バジルソースを作る)


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