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【週末投稿】つれづれ有用植物#191(キク科ヨモギ属:クソニンジン)

植物の命名は意外と適当で、外来種であれば海外名称を日本語に訳して名付ける事は普通だとしても、「容姿が似ている」からと違う種なのに、間違って付けてしまったものから、外国から来たものをなんでも「チョウセンXXX」と付けたり、本命と比べて格を下げる意味で「イヌXXX」とか「カラスXXX」なんて命名された植物さんもいます。犬さんや烏さんには迷惑な話です。

ちょっと脱線しますが、かわいそうな命名でよく知られているものは、「ヘクソカズラ」や「継子(ママコ)の尻ぬぐい」でしょう。

【ヘクソカズラ】
【ママコノシリヌグイ】

さて、今回ご紹介する植物もなんともかわいそうな命名をされてしまった一年草の「クソニンジン」です。この和名は、特異な異臭を持つ事とニンジンの葉に似ている事から来ています。

【クソニンジン】

ただし「異臭」は人により感じ方が違い、「ハーブの様な香り」と感じる方もいるのですから、安易に命名をしないで欲しいと個人的には思う今日この頃です。

アジアやヨーロッパにも広く分布し、日本には薬用植物として中国から渡来し、当初は皮膚病に効く薬草として非常に重宝されたそうです。
現在は野性化して本州以南の畑、牧草地、荒地、市街地の道端などに生えているそうです。生薬名はオウカコウ(黄花蒿)と呼ばれ、中国では「本草綱目」に収載されている伝統ある薬草です。

大きいものだと 2m を超える背丈で、晩夏から初秋にかけて黄色い直径1.5mm程の小さな頭状花を穂状につけます。
薬用部位は、葉、茎、花の地上部の全草を利用することができ、乾燥させたものを使用するそうです。
清熱薬として発熱、日射病、熱射病、寝汗やマラリアなどに用います。

近年、中国でクソニンジンのエーテル抽出物がマラリアに驚異的な効果をもたらすことが発見され、その主要な有効成分としてアルテミシニンが屠呦呦(Tu Youyou)博士らによって特定されました。85歳で成し遂げた偉業だそうです。彼女は2015年のノーベル医学・生理学賞を受賞されました。

マラリアの特効薬アーテスネート(artesunate)として、アフリカ等で使用され、アルテミシニンとその誘導体が抗マラリア薬として世界中で利用されているそうです。

さらにこのアルテミシニンは、白血病、大腸がん、肺がんなどの様々ながん細胞に対して抗腫瘍効果があることが証明されているそうです。

こんな植物が本州以南に増えているそうですよ。
物好きな PinguBanana はちょっと信頼性が?だけど、そこでしか種を購入できなかったのでさっそく蒔いてみました。
はたして芽がでるかな??

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