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【週末投稿】つれづれ有用植物#68(アブラナ科アブラナ属:ザーサイ)

日本でもおなじみになりましたザーサイ。独特のコリッという食感と独特の香りが楽しい漬物です。中国から伝わった植物で、「漬物」として食べた事があるのではないでしょうか。

中華料理のシナチクと並んで、ザーサイは「好きでたまらない」方を除いては、日常的に食べる事が多くないかもしれません。そのため、植物としての認知度は、さらに少ないと思われます。

生株

サーサイは日本の気候にもなじむ植物で、茨木県や神奈川県で商用栽培がされています。しかし生ザーサイは市場に出荷される事はまずなく、塩漬けして乳酸発酵させた「ザーサイ」が流通しています。味はさっぱりとして多少の苦みがあるので、油物には合うとされています。

ザーサイは、アブラナ科アブラナ属のカラシナの変種として分類されています。カラシナですから葉は多少ピリ辛で、葉も美味しく頂けます。
そしてこの植物の特徴としては、茎の基部が大きく肥大しており、その部分を漬物に利用する訳です。

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収穫したザーサイの茎の肥大部を天日に干して、一度塩漬けにしてから搾って塩分を抜き、調味料(塩、唐辛子、花椒、酒など)と共に甕に押しこんで本漬けにする事で、私たちが普段口にするザーサイになります。

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食べやすく切ったザーサイはそのまま食べられますが、塊で売られているものは、塩抜きしてから刻んで薬味にしたり、ゴマ油で炒めて食べる事が多いです。中華粥には欠かせない薬味で、中華まんや餃子の具にも使われています。乳酸発酵したものは多少の癖のある臭みがありますので、好き嫌いはあるかもしれません。

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実は、カラシナの変種には「タカナ」という日本では有名な漬物用の植物があります。地域によっては「野沢菜」、「広島菜」として有名で、乳酸発酵させて色が「飴色」になったものや、塩漬けにして緑色の葉をおにぎりに巻いた葉巻おにぎりが有名です。

このタカナにも、なんと「コブ」が出来る、「雲仙こぶ高菜」というものがあります。カラシナの仲間にはにはコブが出来る変種が他にもあるという事なのでしょうね。

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【PinguBanana 宅で栽培している、コブ高菜】

播種する時は土に溝を付けて、筋蒔きにする場合が多いかと思いますが、アブラナ科の種が多くある場合は、畑に種をばら撒くだけで、しっかりと根を土の中に潜り込ませるだけの生命力があるのです!

春になると、河川敷に黄色い菜の花(アブラナ科)が咲いているのを見かけますが、生命力の強さはうなづけます。ご自宅でお育てになる際は、ぜひ固定種の種をお選びになって、種を取りながら育て続ける事をお勧めします!

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