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【週末投稿】つれづれ有用植物#238(セリ科シシウド属:エゾニュウ)

山地や川岸の草地などを散策すると、突如として白い花を咲かせた巨大なセリ科の植物の群生に出逢うことがある。北海道や中部地方以北に生育する大形の在来の多年草だ。

高さ約3 mにもなり、茎は赤紫色で太く,中空,直径5-6 cmになり,直立して上部で分枝するのが特徴。7月から8月が花期で、茎先の大型の複散形花序に白色の小さな花を多数つけますので、セリ科の植物であることが容易に分かります。

しかしセリ科の植物は見た目が似ている事が多く、選定が難しい事もあるそうです。
アマニュウ    :葉の先端が尖らず丸みがある。
エゾノヨロイグサ :小葉が深く切れ込む。丈の割に細い茎。
オオハナウド   :全体に毛がある。
エゾノシシウド  :明確な小苞片がある。葉は厚く光沢がある。

名のニュウは、アイヌ語由来の言葉で、食用・薬用になるものにつけられた名称との事です。この様な植物でも、昔からの食文化が根付いているのですね。上記の「アマニュウ」は茎を食べると甘いことからついたそうです。

主に茎の部分を山菜として利用するそうです。
採取時期は5月中旬頃から6月上旬頃までの若い太い茎を採ります。収穫時期は短く、茎の甘い部分がクマも好物なので、遭遇にも気をつける必要があるそうです。びっくりですね。

フキのように茎の皮をむいて食べますが非常にアクが強く、抜くとすぐ食べられますが、通常は塩蔵にして冬の保存食にします。塩抜き後のエゾニュウはクセが少なく、比較的食べやすい山菜で美味しさは山菜の中でもトップレベルと言われ隠れファンも多い山菜と言われています。油炒めや煮物などにして食べるそうです。秋田県などでは「ニョウサク」「ミョウサク」などと呼ばれ、好まれていた様です。

■Angelica ursina / 蝦夷丹生(エゾニュウ)〈2021 version〉(約5分弱)
North Local Tube 様

■エゾニュウ〈ニオウ)あく抜きと 焼きドジョウ(約9分強)
yamawasabi 様

■ぐっち先生の山菜教室 エゾニュウ(約8分強)
ぐっち先生 様

一生に一度だけ花を咲かせるエゾニュウ。年々エネルギーを貯め込み、ようやく建てられた花の塔。次世代を創る沢山の種を実らせ、枯れていきます。
一回繁殖型植物と言われています。

一回繁殖型植物で有名なのが、竹や笹です。
こちらも花が咲くと枯れてしまいます。

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