【週末投稿】つれづれ有用植物#233(イラクサ科:イラクサ/カラムシ)
山地の林縁や林内、道端や石垣などの湿った場所に、1m前後になるハート型の葉を見かける事がある。イラクサ科の植物かもしれない。
今では雑草扱いされ多くの方が、まさか「有用植物」とは思わないだろう。
食べたり、ハーブティーで楽しんだり、繊維を取って利用する事ができ、これらが分布していた地域で、古くから人々に利用されてきました。
イラクサやカラムシは慣れてくれば違いが分かってきますが、初めは難しいかもしれません。またイラクサは棘をもっていて素手で触ると痛い思いをしたり、後からかぶれたり腫れたりすることがありますので、これからご紹介する記事を参考にされてから親しんで頂ければ幸いです。
■カラムシ
イラクサ科カラムシ属の多年草で南アジアから日本を含む東アジア地域まで広く分布し、古くから植物繊維をとるために栽培されてきました。
葉の大きさは最大15cmほど大きくなり、縁に細かい鋸歯(ギザギザ)があって、つやがありません。若葉は細かいしわがあり縮んだ状態です。葉の裏側は細かい綿毛が密生していて白く目立ちます。葉は茎に互生し(イラクサとの違い)、根元に近い葉ほど大きく、葉柄も長くなります。
花は 8月~10月 にかけて咲き、葉柄の根もとに小さな花が房状に付きます。雄花と雌花がありますが雌雄同株で、雌花が株の上のほうにつきます。
風によって花粉を運ので鮮やかな花びらもなくあまり目立ちませんが、カラムシが多い地域では花粉症の原因ともなるそうです。
カラムシの葉は、食べるとゴワゴワ感があるので工夫する事で美味しく食べる事もできますよ。
【ほうれん草の50倍】注目の野草「カラムシ」を食べてみる(6分弱)
野草研究所 様
茎の皮から採れる靭皮繊維(ジンピセンイ)は麻などと同じく非常に丈夫です。紡いで糸とするほかに紐や縄にしたり、また荒く組んで網や漁網に用いる事や、布にすれば衣類や紙としても幅広く利用されてきました。
苧麻から糸を作る(6分強)
natureecolife 様
■イラクサ
イラクサ科イラクサ属の多年草で中国大陸に分布しています。同じ属の「エゾイラクサ」や「セイヨウイラクサ」等も人々に利用されています。
セイヨウイラクサの別名はネトルとも呼ばれています。
茎は四角形で縦稜があり、下向きの微毛が密に生え、直立して高さ 40~80cm になります。葉は茎に対生(カラムシとの違い)します。
茎に刺毛があり、刺さると痛く後から腫れる事もあります。アリやハチの毒成分である蟻ギ酸などの有機酸などが含まれていて、刺さると皮膚に炎症を起こします。「イラ」にはトゲ、辛い、ひりひりするという意味があり、イラクサ(苛草) は、まさに、トゲで刺激を与える植物なのです。
これらの毒は熱を加えることで無毒化されます。
花は淡緑色で9月から10月に咲き、穂状の花序を形成します。
イラクサは食用の他に、アレルギー・膀胱炎などに有効とされ、ヨーロッパで広くハーブティーなどに利用されています。
薬用部分は全草です。夏から秋にかけて全草を採り、日干しして乾燥させます。乾燥させて粉末にした、イラクサパウダーが商品として出回っています。
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(6分弱)
葉っぱくんチャンネル 様
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