松尾知子

映画オタクがヘタクソながらイラストを添えて映画日記を書いています

松尾知子

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記事一覧

ともこ、映画絵日記をかく 其の11『水を抱く女』

ギリシャ神話の水の妖精ウンディーネの物語は、1800年代以降、小説にオペラにクラシック音楽に…と、ジャンルを越えて芸術家達のモチーフになり続けて来たらしい 私も漫画…

松尾知子
3年前
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ともこ、映画絵日記をかく 其の10『JANK HEAD』

話題の『ジャンク ヘッド』をやっとこさ観た カルト! めっちゃカルト!! もう、すっごいカルト!!! 私はカルト映画に甘い カルトを作る人は変な人だ 変な人じゃなきゃ作れ…

松尾知子
3年前
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ともこ、映画絵日記をかく 其の9『夢みるように眠りたい』

二十歳の頃、1本の映画に恋をした その恋しい相手にはその後1度も会えず、恋心だけを残して記憶は薄れて行った その映画がデジタルリマスター版で復活 F市のKシネマ…

松尾知子
3年前
2

『マジカル・ガール』

ついに観ました 『シークレット・ヴォイス』に続いてカルロス・ベルムト監督作品 どんだけ毒気作品かと、期待…いやいや、恐れつつ観たけど『シークレット・ヴォイス』程、…

松尾知子
3年前

『街の上で』

下北沢にはタバコがよく似合う 高校生の頃、仲良し5,6人で放課後に下北へよく行ったわ わざわざ学校から数駅離れた下北に行くのは喫茶店でタバコを吸うため 男の子達は…

松尾知子
3年前
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『シークレット・ヴォイス』

ぱっつん前髪…チコちゃん⁉️ いやいや、年齢を考えたら、チコちゃんより、インパクト強い しかもチコちゃんはまっすぐだけど、リラはラウンド型だ❗️ などと、おふざけ…

松尾知子
3年前

『花束みたいな恋をした』

私は自分の本棚を人に見られるのが苦手 子供の頃はお友達が遊びに来る度に、大事な本を隠したりした 本棚はその人を写す鏡だから 麦くんのような人に出会えていたら、本棚…

松尾知子
3年前
1

『アンモナイトの目覚め』

シャーロットは愛してくれる人を求め、メアリーは慈しむ相手を欲した 荒々しい波の絶えない海岸 薄寒いグレーの空 幾重にも連なる地層が剥き出しの岩肌 それがイギリスの…

松尾知子
3年前

『AVA/エヴァ』

彗星の如く赤い唇の彼女が現れた… って、シャアか⁉️ シャアは唇は赤くないぞ 軍服とモビルスーツが特注の赤 こういう事を言うと勘違いされるのだが、私はアニメは観な…

松尾知子
3年前

『ドリームランド』

1930年代 世界大恐慌の真っ只中 テキサスの荒れ果てた広大な土地 南の国境の向こう側は、太陽の輝く夢の国だったのだろう 見たことさえない青い海、白い砂浜 国境を越えれ…

松尾知子
3年前

『ノマドランド』

「アメリカは大きな田舎」 誰の言葉だったかな? 「都会はほんの一部分」 本か、映画の台詞か… その田舎は圧倒的な力強さで、私の視界に拡がり続けた 「美しい」と評論家…

松尾知子
3年前
1
ともこ、映画絵日記をかく 其の11『水を抱く女』

ともこ、映画絵日記をかく 其の11『水を抱く女』

ギリシャ神話の水の妖精ウンディーネの物語は、1800年代以降、小説にオペラにクラシック音楽に…と、ジャンルを越えて芸術家達のモチーフになり続けて来たらしい

私も漫画家·山岸凉子の短編『ウンディーネ』を持っている

アンデルセン童話の人魚姫も、ウンディーネがモデルになっているそう

おそらく西洋の人々にとっては、日本人にとってかぐや姫が月から来た宇宙人ってことと同じくらい、常識なのだろう
ウンディ

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ともこ、映画絵日記をかく 其の10『JANK HEAD』

ともこ、映画絵日記をかく 其の10『JANK HEAD』

話題の『ジャンク ヘッド』をやっとこさ観た

カルト!
めっちゃカルト!!
もう、すっごいカルト!!!

私はカルト映画に甘い
カルトを作る人は変な人だ
変な人じゃなきゃ作れない
(堀貴秀監督ごめんなさい)
んでもって、私は変な人が好きなのだ!

だいたいカルト作品なんて物は、私には理解不能だ
そもそも理解しようと思っちゃいけない
だからワケ解んないけど、カルトを作る人は凄い人なのである

素晴ら

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ともこ、映画絵日記をかく  其の9『夢みるように眠りたい』

ともこ、映画絵日記をかく 其の9『夢みるように眠りたい』

二十歳の頃、1本の映画に恋をした

その恋しい相手にはその後1度も会えず、恋心だけを残して記憶は薄れて行った

その映画がデジタルリマスター版で復活
F市のKシネマで掛かるという
1回だけの上映
しかも夜
勿論、そんなことは構わない
昔好きだった男の子に同窓会で会う気分
二十歳の頃のように愛せるかしら?

主役が佐野史郎なのすら忘れてた
微かに覚えているのは、淡いピンク色の花びらが降りしきるなか

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『マジカル・ガール』

『マジカル・ガール』

ついに観ました
『シークレット・ヴォイス』に続いてカルロス・ベルムト監督作品
どんだけ毒気作品かと、期待…いやいや、恐れつつ観たけど『シークレット・ヴォイス』程、毒気を楽しむ作品ではなかった

この作品は「負の連鎖」が容赦なくこれでもかと続いていく怖~い作品である
なんだって、こんなに悪いことが起こるのか?
次から次へと悪い方、悪い方に話が連なっていく
監督、相当にねじ曲がった性格なんじゃない⁉️

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『街の上で』

『街の上で』

下北沢にはタバコがよく似合う

高校生の頃、仲良し5,6人で放課後に下北へよく行ったわ
わざわざ学校から数駅離れた下北に行くのは喫茶店でタバコを吸うため
男の子達はタバコとコーヒー
女の子達はアイスミルクティー
因みに喫茶店は「サ店」
アイスミルクティーは「アイミティー」と呼んでた
これ、80年代の話
歳、バレたな
ネタはばらさないよ

『街の上で』を観た時、はじめは80年代を描いているのかと思っ

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『シークレット・ヴォイス』

『シークレット・ヴォイス』

ぱっつん前髪…チコちゃん⁉️
いやいや、年齢を考えたら、チコちゃんより、インパクト強い
しかもチコちゃんはまっすぐだけど、リラはラウンド型だ❗️
などと、おふざけを言ってはいけない
この髪型、実は結構重要
「ぱっつん」がではなく、インパクトが強いことが

中毒性のある映画だ
良く練られた、でも毒気のあるストーリー
計算された美しい、でも毒気のある映像

映画サークル仲間のA子さん
カルロス・ベルム

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『花束みたいな恋をした』

『花束みたいな恋をした』

私は自分の本棚を人に見られるのが苦手
子供の頃はお友達が遊びに来る度に、大事な本を隠したりした
本棚はその人を写す鏡だから

麦くんのような人に出会えていたら、本棚をそのまま見せていただろうな
若い頃の私は、思えばいつでも麦くんを探してた
白馬に乗っていなくていい
絹ちゃんと麦くんが出会ったM駅で、K王線に乗って現れてもいいわ
何なら、40年前はよくM駅前に出没していた、ちんどん屋さんの最後尾のチ

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『アンモナイトの目覚め』

『アンモナイトの目覚め』

シャーロットは愛してくれる人を求め、メアリーは慈しむ相手を欲した

荒々しい波の絶えない海岸
薄寒いグレーの空
幾重にも連なる地層が剥き出しの岩肌
それがイギリスの海辺の原風景か
2人の出会った場所だ

さらさらと白い砂のように涼やかなシャーロットが、頑ななメアリーを少しずつ少しずつ解いていく
メアリーはいつ笑顔を見せるだろう
解けるスピードはとても遅い
それでも少しずつ少しずつメアリーの表情は変

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『AVA/エヴァ』

『AVA/エヴァ』

彗星の如く赤い唇の彼女が現れた…
って、シャアか⁉️
シャアは唇は赤くないぞ
軍服とモビルスーツが特注の赤

こういう事を言うと勘違いされるのだが、私はアニメは観ない
私のアニメは『風の谷のナウシカ』で止まったし
ガンダムは一作目で終わった

…じゃなくて『エヴァ』である
何故に彗星かって言うと、全く何の情報も無いままいきなりチラシが映画館に出回って、来月から上映です…だったから

コロナでハリウ

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『ドリームランド』

『ドリームランド』

1930年代
世界大恐慌の真っ只中
テキサスの荒れ果てた広大な土地

南の国境の向こう側は、太陽の輝く夢の国だったのだろう
見たことさえない青い海、白い砂浜
国境を越えれば幸せが待っている
きっと

無垢な17歳の少年と、その無垢を失った自分に罪悪感を感じる美しい犯罪者
2人はそれを信じてた
死ぬかもしれない…だとしても

1度も都会の出てこない荒れ果てたテキサスを延々と写し出す映像が、2人の思い

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『ノマドランド』

『ノマドランド』

「アメリカは大きな田舎」
誰の言葉だったかな?
「都会はほんの一部分」
本か、映画の台詞か…

その田舎は圧倒的な力強さで、私の視界に拡がり続けた
「美しい」と評論家は言う
でもその景色はあまりにも壮大で、寂しくて心細くて恐怖さえ感じさせた

ロードムービーが苦手
ロードムービーを観ている時のあの心のよりどころの無い不安感が辛い
ひとり旅の好きな私が、何故だろう?
自分でも矛盾を感じる

帰る場所

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