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ルポ【パレスチナ難民キャンプ② [キャンプでの暮らし]】

皆様こんにちは。
今回も引き続き、難民キャンプでのルポを掲載していきます。
前回の投稿はこちらからお願い致します。

【2018年10月27日(土)】

本日は活動2日目。
今回は7:00に来るようムハンマドさんから言われたため、朝日が昇りきる前に家を出て、活動地であるバカアへと向かう。

バカアのバス停でムハンマドさんらと合流したのち、学校へと向かった。この日のコーチはムハンマドさんの息子マフムードと、彼の友人で時々サッカークラブに顔を出しているというアニスと私の3人で行った。前回よりも少々子どもの人数が少なく、女の子は特に少なかった。
今日のメニューはランニング、鳥かご、練習試合という内容で、その後に他所のクラブがやってきて試合を行った。結果は、こちらのチームが終始相手チームを圧倒し勝利を収めた。

練習の間にアニスと話す時間があり、キャンプのことについて少し話を聞くことができた。

「近隣同士距離が近く落ち着かない、多くの住民は働いているが十分な給料を得られているとは言えず生活は簡単ではない」

前回のマフムードさんの話と同様、生活は困難を極めているようである。

(練習風景)

練習後は、学校職員、両チームのコーチが事務所に集まって話す時間が設けられた。
その際、相手チームのコーチにいくつか質問をしてみた。聞いたところによると、子ども達は毎月10JD(JD:ヨルダンディナール。1JDが約160円)を支払っており、キャンプ内でも比較的お金に余裕がある家庭の子どもが来てサッカーをしているようである。
帰り際、校長と職員の方々から「今日も来てくれてありがとう。またおいで。」と声を掛けられた。わずか2回しか来ていないのにも関わらず、自分がそこで求められているような感覚を抱くことができて、今後もこの活動を継続していきたいと思えた。

学校を後にし、この日もマフムードさん宅で食事を頂いた。食事中の会話で、彼には5人の娘と3人の息子がいることを知った。うち2人の娘が家にいたため、キャンプでの生活について聞いたみた。

「快適で、特に不便はないよ」

予想外の返事に少々戸惑った。また、マフムードさん宅にこの日来ていた近くに住んでいるという女性にも同じ質問をしてみると、「まだ住んで2年だからよく分からない。だが悪くはない。」と話していた。

てっきりここに住むすべての人が困難な生活を送っていると思い込んでいたが、家庭や個人によって捉え方は違うらしい。当然といえば当然のことである。
そしてこの日、マフムードさんの家の中をすべて見せてもらったが、豪邸とも言えるような内装で圧倒された。
しかし、彼の息子(10歳)に「友達の家もこんなかんじ?」と聞いてみたところ「いや、もっと小さいし古い」と話していたためキャンプ内にも格差は生じているようだ。

(マフムードさんのお宅に飾られていた絵画。東イェルサレムにある、ムスリムにとっての聖地の一つである岩のドーム)

(近所のお母さん方、娘達が家に集まってオリーブを作っていたため、お話をしながらその様子を見学させてもらった)

14:00を回り、土曜塾へと向かった。前回同様、やはりそこへ行き着くまでに多くの住民を目にし、通りにはゴミが散乱し排水も流されていて衛生面は決して良いとは言えないと思った。
土曜塾での活動後、ムハンマドさんとマフムードさんと他愛のない話をしたのち、解散となった。

今日1日を通じて、キャンプ内における情報を集めることができた。しかし、そこで自分に何ができるのか、というビジョンはまだ見えていない。もしニーズにようなものがそこにあれば、それに向けて力を注いでいきたい。
よって、当面はこれまで同様サッカー指導をする傍ら、情報収集や人間関係の構築が課題となってくる。

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