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かわせみ💎読書論考 継続中

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もっとも苦手だった読書。ひたすら読み、修行のごとく解読した。読んだことを忘れ、いまだ振り返り読書をしています。ただ、その読書は二度と忘れない「ボクだけの図書」として、生涯のアーカ…
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#再現してみた

余録と諏訪正人先生

余録と諏訪正人先生

 余録は毎日新聞朝刊1面の看板コラムです。▲で段落を区切り、日々の出来事・ニュースを多彩に評論する記事です。

 ボクは1980年頃から読み始めました。朝日新聞の天声人語にあたいする記事だ。予備校のとき、さんざテキストとなった天声人語と別れをつげた。また朝日新聞や読売新聞が世相の中心であったのにことへの若干の反発から毎日新聞に変えた。

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重松快作 「その日のまえに」

重松快作 「その日のまえに」

 去り行く昭和の残像を舞台に、淡々と語る妻の死と残された子供の有様。同世代の・同姓として、自分は次第に主人公と同一化してしまった。

 家庭内の話・心の内面の話・思い出という、今は実態のない話が多く、読み始めは「女々しい語り口」であると感じました。

 7つの短編を上手く組み合わせた本書は、立派な単行本に仕立てられている。縦軸に「命の話」・横軸に「時間の経過」と言う風に、変えない著者のスタンスは、

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関西弁に癒されて👘

関西弁に癒されて👘

繊細に響く関西弁が、…

 ストーリーは、同性愛を導入口とし、晩年に孤独となってしまった悲しい女性の語りである。

 良家の生まれ・インテリジェンス・恵まれた家族環境にありがら、悪女:光子の虜となってしまう。

 その果て、光子の影にいる怪しい男と亭主との、まさに雁字搦めの卍となる。自身が開放された時には、亭主も光子も失っていた。

 その後ずっと女一人で、園子は生きて来たのでしょう。物悲しくとも

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