マガジンのカバー画像

箱根を撮る。

8
箱根の旅の途中です。
運営しているクリエイター

2021年12月の記事一覧

やわらかな虚像。

やわらかな虚像。

バスが来るまで15分あった。

西日がさらに強さと角度を失い、あたりはすんとした空気に包まれている。ふと愛用しているイッセイミヤケの腕時計に目をやると17時になろうとしていた。

バスでも歩いてもホテルへの到着時間は、さほど変わらないことをグーグルマップで知った僕らは徒歩で戻ることにした。

こうして歩いてみると下り坂が多く、ホテルよりも美術館の方が標高の高い場所にあったことに気づかされる。

もっとみる
私のなかの水と、水のなかの私。

私のなかの水と、水のなかの私。

彼女のように世界の機微を見つめ続けたら、自分は間違いなく死を選ぶだろう。それがテムズ川への入水でなかったとしても。

そう思わざるを得ない展示だった。

この世界を廻すのに、なんら必要のない人の作為、自然の現象。
それらの微々たる動きを、狂いなく確実に捉える繊細さと、タフネスな精神力。その2つを持ち合わせているのがロニなんだと感じた。

水と聞いてイメージするものはなんだろうか。

水道水であるか

もっとみる