箱詰
もっとこんな人だと思ってた、と言われた。
おしとやかであまり喋らなくて月のようなひとだと思ってた、と言われた。
勝手にわたしのイメージを作り上げて期待して、勝手に残念がって離れていった。
その人にとってどんな人間なのかなんて
相手と接して、向き合って、共に時間を消化して、
そうしてはじめてわかるものなんじゃないのか。
今日の自分と明日の自分は違ったりする、
そんなものだと思うのだ。
みるひとによって『どんなひとなのか』
答えが変わるのが面白いと思うのだ。
よく知りもしない他人がなんとなくで決めつけてしまうのは違うかな〜と。
理想の箱に詰め込んで閉じ込める。
人間の悪い癖。
わたしはわたし。
あなたの見た、月のような私、も私だし、そうじゃない私も私。
嫌だった。箱詰めにされて。でも、
なぜ箱詰めにするの?
そう本当の心をぶつけられず
意味もなくここに感情を吐露してるところが。
思ってたのと違くてごめんね、って
別れを笑って誤魔化すことしかできなかった私が
1番嫌だった。
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