ズミズミ

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マガジン

  • ニュータウンの日は暮れて

    落陽のニュータウン周辺で起こる日々の出来事など

  • ブックオフ回顧録

    ブックオフで働いていた頃の印象に残るエピソードなど。時系列はバラバラかもしれない。

  • 絵本と子供たち

    息子たちに読み聞かせをした絵本の感想や思い出など。

最近の記事

抜け殻

暑い。とても暑い。それもそのはず、この町は毎年全国のニュースで取り上げられるくらい暑い町なのだ。 引っ越してくるまでは全然そんなことは思っていなかった。町を不動産屋さんに紹介された時も、全くそんなことは思いもせず、ああ、学生の頃同じ大会で見かけたことがある町だなあ、くらいにしか思っていなかった。 ところが引っ越してきて驚いた。暑いのである。毎年夏になると友人や親戚からLINEが飛んでくる。「今日いちばん暑かったけど大丈夫か?」とか、「40℃超えてるみたいだけど溶けてない?

    • 君たちはどう生きるか

      7月14日は誕生日でした。誕生日ということもあり、妻から1日の主夫業お休みと映画の座席予約のプレゼント。 なんと公開初日のジブリ映画「君たちはどう生きるか」のチケットをもらうことができましたので、観てきました。 映画館は平日昼間にも関わらず満員です。グッズやパンフを購入しようかと思っていたのですが、用意されていたグッズはクリアファイルやポスターなど僅かなものだけ。そしてパンフは現在のところ未発売ということで、いずれ公式から案内があるらしいです。 内容については、なかなか

      • 燕の巣

        ツバメの巣というと中華料理などで食べられる高級食材が思い浮かぶ方も多いだろうが、あれはアナツバメの巣。アナツバメは断崖に巣を作るので、命懸けで巣を採集しに行くなんていう話も小耳に挟んだことがあるが、本当にそうなのだろうか? 同じツバメという名前ではあるが、春になると日本にやってくるツバメはアナツバメとは随分遠縁で、その巣についてもだいぶ違うものとなっている。食用になるアナツバメの巣はほぼ唾液腺の分泌物によって作られているらしいのだが、こちらで見かけるツバメの巣は泥や草などで

        • ボタンを押さない人々

          子供の頃、ボタンを見ると押したくて押したくてたまらない衝動に駆られて、片っ端からボタンを押していた。特に押したかったのがバスのボタン。競争相手(相手は特にそう思っていないだろうが)に負けないように、降りたい停留所の一つ手前の停留所を過ぎると、即座にボタンを押していた。 それは昭和でも令和でも変わっていなくて、子供は大抵ボタンを押したがる。うちの二人の息子たちもボタンがとても好きだ。 ところが、歳を重ねるとそういう衝動は徐々になくなっていき、特にボタンに興味を示さなくなって

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        • ニュータウンの日は暮れて
          14本
        • ブックオフ回顧録
          5本
        • 絵本と子供たち
          1本

        記事

          ビリケンさん

          最近、長男が幼稚園に通い出したので、お昼前後に少しだけ時間が作れることが増えた。今までは2人を見なければならなかったので、なかなか出かけることが難しかったのだけど、次男と散歩に出かけることができるようになってきた。 思えば、長男が歩き始めた頃はかなり時間にも余裕があって、2人でよく散歩に出掛けていた。それに比べると次男は歩き始めたにも関わらず、あまり歩く体験をさせることができていない気がする。動画を振り返っても、今の次男と同じくらいの月齢の頃、長男はサクサクと歩いている。

          ビリケンさん

          かえるのうた

          かーえーるーのーうーたーが (かーえーるーのーうーたーが) きーこーえーてーくーるーよ (きーこーえーてーくーるーよ) クワックワックワックワッ (クワックワックワックワッ) ケケケケケケケケ クワックワックワッ (ケケケケケケケケ クワックワックワッ) 少し調べてみるとどうやらこの歌は『かえるの合唱』というのが正式名称らしい。 合唱というよりは、子供の頃みんなで輪唱したなという印象だけど、輪唱もまあ合唱なのかな。 昨日の夜、訳あって急遽麓にある西松屋まで車を飛ば

          かえるのうた

          ブックオフ回顧録#4「初勤務」

          初の勤務日。はっきり覚えているのは、初日のトレーニング店長が担当してくれたのだが、店内を案内してくれた時、文庫本のコーナーで「小説とエッセイの違いってわかる?」と聞かれ、わからないと答えたら「小説家が書いてたら小説、エッセイストが書いてたらエッセイだよ。ガハハッ!」と言われ、いや、誰が小説家で誰がエッセイストなのかがわからんがな、と心の中でツッコミを入れたこと。そして、今ではサンドウィッチマンのネタに使われるくらいメジャーになった、ブックオフの伝統的な挨拶であるところの“やま

          ブックオフ回顧録#4「初勤務」

          コンビニの主

          ニュータウンの中心部に一件だけコンビニエンスストアがある。ニュータウンは2500世帯以上の家々が立ち並んでいるので、なかなかの市場と言えるかもしれない。スーパー隣という好立地なのもあってか、町の老人たちもよく利用している。 最近のコンビニエンスストアにはイートインスペースというものが用意されている。昔はミニストップくらいだったと思うのだが、今はほとんどのコンビニが用意しているのではないだろうか。コロナ禍で一時的に利用停止にしてしまったり、リニューアルしてイートインを廃止して

          コンビニの主

          パンの移動販売車

          朝、長男を幼稚園バスに送り出して、片付けや洗濯などの一通りの家事を終え、次男を連れてお昼まで町を散歩する。そんな時間が作れるようになった。 町は普段静かなのだが、今は町議会議員選挙の前とあって、遊説でかなり騒がしい。今日も次男とゆっくり散歩をしていたら、歩いている議員さんに声をかけられ、可愛いの褒め言葉と一緒に投票よろしくねと言われてしまった。 昼食は麺類にすることが多いのだけど、今日は木曜日。このニュータウンにパン屋は一軒だけあるのだが、少々うちからは遠い。しかし、毎週

          パンの移動販売車

          祝・入園

          長男が幼稚園に入園した。同級生はなんと5人である。一体どこの田舎だと思われるかもしれない。実際、三宅島で暮らす義姉にも驚かれた(というかちょっと引かれた)。しかし、実はこの幼稚園は東京から車で40分、彩の国のど真ん中にある町立幼稚園なのだ。 そもそもこの町は子供が少ない。月に0〜5人くらいしか生まれない。だから町中の同級生を集めても50人くらいなのだ。その中からそれぞれが幼稚園、保育園を選んで預けることにするわけだけど、この町立幼稚園には不利な条件がある。それは今まで2年保

          祝・入園

          ブックオフ回顧録#3 「面接」

          面接の日も自転車で出かけたのだが、行きがけに高校時代に少し好意を寄せていた女の子が親が運転する車で目の前を横切り、お互いに手を振った。その子とはそれが最後の邂逅だった。偶然の巡り合いに少しドキドキしながらブックオフへ急ぐ。 面接官は30代くらいの女性だった。今まで経験したことのあるアルバイトは年末年始の郵便局の配達と、夏休みに働いた伊勢丹の倉庫。どちらも繁忙期の短期採用で、郵便局は集団面接で条件面だけ聞き取る感じだったし、伊勢丹は友人の伝手で働かせてもらったので面接はなかっ

          ブックオフ回顧録#3 「面接」

          美容院

          空き店舗だらけのこのニュータウンだけど、美容院や床屋は沢山ある。ぱっと目につくだけでも4、5店舗。他に目につくお店といったらカラオケスナックや飲食店が2、3店舗くらいしかない。コンビニ1軒スーパー1軒。なのだから、いかに散髪屋が幅を利かせているのかがわかる。 「今、美容師は世の中に溢れているんだよ」「美容院はコンビニよりも沢山あるんだから」などと友人の美容師に語られても、都内に住んでいた頃は「へぇそうなのかあ〜」くらいのものだったが、なるほど、田舎に行くほどその傾向は顕著だ

          本屋のない町

          先日、美容院に行った時、美容師(30代)の方とおしゃべりしている中で、「どんな店が近所にあったら嬉しいですか?」と質問された。このニュータウンの商店街は住宅兼用になっていて、高齢化が進んでしまったせいか代替りのできない商店は軒並み閉店してしまい、若干ゴースト感の漂う商店街になってしまっている。 とはいえ、車でニュータウンから下って(ニュータウンは山にある)少し行けば、中規模のショッピングモールはあるし、一通りのチェーン店が揃っているような生活道路もあるので、あのお店があった

          本屋のない町

          じぷた4コマ

          長男は車や電車が好きで、そういう類の児童書もたくさん持っている。3歳になりたてくらいの頃、しょうぼうじどうしゃじぷたにハマり、何度も一緒に読んだ。その中で少し笑ってしまうやりとりがあったので、想像を膨らませて4コマ漫画を描いてみた。 のっぽくんとぱんぷくんに対しては具体的な特徴を指して憧れを抱いているのに、いちもくさんに対しては、ただ「かっこうがいいなあ」と抽象的な表現で、何となくしか憧れを抱けないじぷた。よくわからんけどとりあえず憧れてます感がなかなかシュールで面白いのだ

          じぷた4コマ

          ブックオフ回顧録#2「応募」

          お店に到着して自転車を止め、入口周辺を見渡してみると…あった。アルバイトスタッフ募集のポスターだ。どうやらまだアルバイトを募集しているらしい。ー今にして思えば4月だったのでちょうど夜の学生スタッフが入れ替わる時期だったのだー さて、ポスターが貼ってあったので早速応募…といきたいところだが、僕はわりと慎重なところがあって、本当にここで働いていけるのかということをなるべく事前に調べておきたい。今まではただ買い物をするためだけに利用していたお店だったが、自分が働くとするとどうだろ

          ブックオフ回顧録#2「応募」

          北浅羽桜堤公園

          坂戸市にある北浅羽桜堤公園。ここは自宅から徒歩でも行ける距離にあるし、駐車場も無料で開放されていてありがたい。 越辺川沿いに1kmくらいの距離の間に安行寒桜が120本ほど植えられている。安行寒桜はソメイヨシノよりも少し早く咲く(例年2週間くらい?)ので、我が家では毎年3月の一足早いお花見が定番となっている。 今年は少し忙しくて行くのが遅めになってしまったので、もう散り始めていた。撮影用にオシャレした子供やペットを一所懸命撮影する親御さんが定番の風景となっている。うちはとい

          北浅羽桜堤公園