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『リモートワーク。ツールの前に、人と人との関係性の築かれ方が肝』

*本記事は、note /ブログ執筆割にて参加したイベントを、自分で記事化しております。公開前に、編集を通していないこと、ご考慮願います。



5月5日(火)20時より、オンラインイベント『オランダ在住の本部長に、世界一周しながら働く正社員。リモートワーク歴4年の組織が実践するチームビルディングの方法について』テーマ「オランダ在住の本部長に、世界を一周する正社員、リモートワーク歴4年の組織が実践するチームビルディングの方法について」に参加した。当日は、27名がオンラインで参加した。

ここで、登壇者の紹介をする。

[管 大輔氏]

2013年Gaiax入社。SNSマーケティング専門のコンサルティング部署を経て、2015年9月、株式会社ガイアックス ソリューション事業本部長に就任。4年前から、リモートワーク・クラウドソーシング等を活用し、離職率の大幅軽減、売り上げも継続している。
 2019年から、世界20ヶ国を旅しながらGaiax本部長を兼任しつつ、学生の新卒採用・就職活動のオンライン化推進を目的とする、新規事業の立ち上げを、オランダに在住しながら行なっている。

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[小寺 毅氏]

株式会社はぐくむ 代表取締役。東西冷戦時代のソ連、アメリカを小学校から中学校にかけて経験。小学時代を過ごしたソ連時代には感じ得なかった物質的な豊かさを、中学時代のアメリカで体験。そうした中で「豊かさ・しあわせ・物質的な豊かさは、人のしあわせに直結するのか」という想いを胸に育つ。
 2006年 株)はぐくむ創業。「よりよく働きよりよく生きるを支援する」をコンセプトに、コーチングから組織の経営全般に対するコンサルティングを行なっている。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーコロナにより、新しい働き方や生活の価値観が変わっている今、何かインスピレーションやヒントを持ち帰ってもらえたら嬉しいと、本イベントの趣旨を共有し、イベントは始まった。

 ブレイクアウトルームにて、イベント参加への思いを共有した。
 参加者の関心ごとの多くは、リモートワークでのチームビルディングや関係性構築。「『旅しながら働く』という、対面で会えない環境下で、どのようにチームビルディングをやっているのか興味がある」とのことだった。

ツールよりもメンバー同士の関係性の築かれ方が重要

 初めに、菅氏がGaiaxのSOC事業にてチームビルディングを行なってきた経緯について語った。

 菅氏は「リモートワークを円滑にするツールやサービスは多々あるが、その前にメンバー同士の関係性がどう作られてきたかが、リモートワークを支える上で、とても重要だ」と言う。5年前、菅氏のいた部署は、3年間売上横這い・離職率40%・2年半で人が入れ替わり、社内で1番異動したくない部署と言われていた。

2015年9月、事業開始に伴い新体制になると、不平不満が多くなった。菅氏は、初めにヒアリングによる社員の不満解消を行なった。
・通勤時間に毎日3時間かかる社員が多い→リモートワークを開始
・本業のマーケティングコンサルティング支援より、リサーチや資料作りの時間が多い→クラウドソーシングを導入
結果、離職率・社員満足度は半年で大幅に改善された。初めにリモートワークを導入した理由は、「社員の不満を解消する」ためだったそうだ。

 クラウドソーシングの活用等でコンサルティング業務に集中でき、2015年9月・9名だった社員は、2年後には20名程になり、2年で売上も5倍になった。
 一方で、2年後の2017年年末、上層部が決定したことをこなす業務に対し、「自己の意見の反映や、やりがいを感じにくい」と、優秀な若手の離職が急増した。

業績も伸び、経営陣のコミュニケーションも円滑であったが、売り上げアップに加え、社員のやりがい・働きがいも追求する組織へ変革しようと、小寺氏に相談したことが、お二人の出会いのきっかけである。

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人と人として、仕事を超えた上での関係性構築


小寺氏とのコンサルティングの上、透明性を持った関係性構築のため、上層部だけの会議をやめ、全員が意見を言える場づくりからスタートした。

 まず、「組織の中心にいる私(部長)と副部長が、お互いの本音を出せる組織作りをしようと、本音で話し合ってみたところ、予想以上に白熱した。」お互いが会社を思うが故の意見のぶつかり合いだったと振り返る。

  2018年度は、これまでの数字だけのコミュニケーションから、「メンバーの思い・感情・価値観を表現できる、気持ちの通いあった泣ける組織」をテーマに組織運営を開始した。徐々に本音で話をする重要性や価値が、メンバーにも理解されるようになり、一年の集大成として、2018年度終わり、360度フィードバック(これまで言えなかった事、気になっていた事を正面から言い合う)を行ない、「あなたがこのチームにいる価値は何か?」を、互いに問い合うワークを行なった。
 「一年かけ、組織の土壌を整えてきたことで、本音で対話できる組織へと変革した。」お互いの苦手分野の認識ができた事で、役割が明確化し、2019年1月、各々がやりたいことを本音で言い、それぞれの働き方や生き方をサポート・応援しあう土壌が出来た。2019年6月、経営陣が牽引してきた数字目標に、メンバー自ら声をあげるような流れも起こり、2020年現在、ほぼマネジメント不要な組織になりつつあるという。

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 コロナ渦の中、強制的にリモートワークになってる会社も多い中、リモートワークで、どうチームビルディングするのか、以下、菅氏のアドバイスだ。

・コアメンバーが、いかに弱い本音を出すか。
対面に比べると圧倒的に話す機会が少なくなるため、雑談スペースなどを意図的に作り、業務に関係ないつぶやきも可能なチャット部屋を用意している。以前、「リーダーがちゃんとしていると、僕らもちゃんとしなくてはいけないと弱音が言えなかった。課題や弱音を言ってくれると、自分たちも力になりたいと思うので、もっと言ってください」と後輩が伝えてくれたことで、気づきがあったという。

〜リモートでの組織運営時、上下・強弱関係でなく「お互いが意見を言い合える関係性」であることが、人間的・生命体的な組織になっていく〜


続いて、「今、起きている組織の変革」について、小寺氏の話を伺った。

昨今、ティール型組織など新しい組織形態がどんどん増えてきている。これまでのマネージメント型の常識ではあり得なかった形が成り立ち、旧来の組織形態が大切にしている、売り上げ・利益という指標も伸びている実例が出てきている。上下関係など、ヒエラルキーの差異が小さくなりつつあり、「どういった世界観で生きたいのか」が会社にも、特に個人にも問われている。
 自分がどういう働き方をしたいか、選べる時代になってきている今、「自分がどういう世界観で生きていきたいのか」個々人の意識を変容せざるを得ない状況になっている。
 新しい世界観は、「売り上げ利益の最大化という、数字でしか良し悪しが見えない価値から脱却し、「売り上げ・利益だけでない世界もあることを受容すること」と小寺氏は言う。

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従来の経営の方向性は組織の量的な成長が何より大切で、 その一躍を担っている個人の人生の充実は二の次だったが、組織の量的・質的な成長において、個人一人一人の人生の生きる・働く意味を大切にすることが、今後はより大事になってくる。

・対話の量と質を高めていく
 お互い、「人間」の部分の共有が深まれば深まるほど、信頼関係が厚くなり、リモートであろうとなかろうと、働く人の才能やパフォーマンスにつながってくる。
結果の質は関係の質
 まずは、心理的安全性が保たれることが必要だろう。
・なんのために自分たちは存在し、生きるのかという意識の変容が大切

 今までのあり方を変えることは、時間はかかるが大事な部分なので、時間をかけて違いを認め合い、価値観を共有することが大切である。

 「リモートワークになると、これまでの関係性が、よりあぶり出される。これまでの当たり前が変わっていくフェーズにいる今、見直しやいい点検の時期だと思いますので、これまでを振り返り、これからどうなりたいかを問う時間にしましょう」と小寺氏が締めくくったところで、本イベントは終了した。

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以下、参加者からの質問だ。

・菅さんが、新規事業や場作りをリモートワークでこれから進める場合、何を大切にし、何から始めますか。

ー「ディスカッション」です。スプレッドシート等を活用し、自分がどう思っているのか、お互いが意見を共有することで、自分の意見を聞いてもらえる場があること、透明性を大切に、できる限り安心安全の場づくりが一つ目として大切です。
 以前は数字目標を打ち出し、早く意思決定しようとマネージャー陣で決定していたが、メンバーから自分たちの知らないところで勝手に意思決定され、そのプロセスもわからず、自分の意見をいい出せない空気感があったという声がありました。
 そこで、オンライン会議に参加したい場合は、メンバーの参加も許可し、コアメンバーが、何を考え意思決定しようとしているか、オンライン上で可視化しました。
 また、それぞれのメンバーが、2.3ヶ月で達成したい目標を言い合うなど、人としてお互いを理解しあうことが大切ということだった。

・新しい組織のリーダーとして、いつも心がけていることはありますか?

ー最初にチームを作る時、弱い部分を出して良いチームであることを、伝えるように心がけています。会議の最初のチェックイン時、自分自身がしんどいことや今困ってることを話し、会議を始めています。皆、副業で関わってる仕事なので、本業の方が忙しくなると、優先順位として副業の仕事に手が回らなくなるという意見があり、本業の進捗状況を、毎週の定例会のチェックイン時に共有しています。

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コロナ渦を経験し、これまではできないと思っていたリモートワークも、加速的に可能になりつつある中、あなたはこれからどんな生き方・働き方をしたいですか?
 今後の生き方のヒントになるエッセンスがありますことを願っています。




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