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30代で聴くGLAYの「BELOVED」は沁みる

GLAYなんてダサいし古いって!という思い込みは一度捨てて欲しい。

きっと、心に響く曲です。

なぜか、秋になると聴きたくなる。

そろそろ32歳になる僕は、GLAYが一番売れてた頃を知る最後の世代かもしれない。

この「BELOVED」はブレイク前夜とも言える1996年にリリースされた楽曲。
彼らが得意とするノスタルジックな雰囲気のミディアム・バラード。

もうどれくらい歩いてきたのか?
街角に夏を飾る向日葵
面倒な恋を投げ出した過去
想い出すたびに切なさ募る

ファンからすると、この出だしからもうすごくGLAYなんですよ。
出だしからいきなり問いかけ、それに続く情景描写…
なんというか、TAKUROが書く歌詞って独特の雰囲気がありますよね。

忙しい毎日に溺れて素直になれぬ中で
忘れてた大切な何かに優しい灯がともる

この辺りの歌詞、青春時代も刺さったんですけどアラサーになった今はもうめった刺しですね。

個人的な考えなんですけど、「忙しい毎日に溺れる」って決して学生時代には訪れないことだと思うんですよ。

もちろん、学生は忙しくないとかそういうことではなくて。
「毎日に溺れる」という表現は、忙しさのあまり大切なものや指針を失っている状態を指しているはず。
その点、否応なく仕事に没入するしかない社会人の方がこの状況に陥りやすい。
だからこそ、その歌詞は社会人の方が共感しやすいんだと思う。

やがて来る それぞれの交差点を 迷いの中 立ち止まるけど
それでも 人はまた歩き出す
巡り会う恋心 どんな時も 時分らしく生きてゆくのに
あなたがそばにいてくれたら

ここの歌詞、ベタベタなのに泣けます。
というか、すごく歌いたくなるメロディラインです。

そして、このサビの歌詞に「なぜこの曲が心に刺さるのか」という疑問への答えが詰まっている気がします。

歌詞にも入っていますが、”それぞれの交差点”は誰にとっても”やがて来る”もの。
“それぞれの交差点”は卒業だったり結婚だったり就職だったり家族との別離だったり。色々あるとは思うんですけど、やがては誰にでも訪れるものなんですよね。
その無常感と、「それでも人はまた歩き出す」に感じる人が持つ強さのギャップ。これがたまんねえんですよ。

Dメロを挟んで続いてくサビで

いつの日も さりげない暮らしの中 育んだ愛の木立
微笑みも涙も受けとめて
遠ざかる なつかしき友の声を胸に抱いて想いを寄せた
いくつかの出逢い… いくつかの別れ…
くり返す日々は 続いてゆく

と、わかりやすく友情や家族愛に話を広げていくのもうまい。
このフレーズがあることで誰もが共感できる、人生をテーマにした曲に昇華されている。

締めのフレーズである

あなたを愛してる

のシンプルさも素敵。

なんやかんや言って、恋愛以外でもこの感情が根底にあるのが人生だと思うんですよ。
恋人、友人、家族、恩師…良い意味で誰にでも当てはまる、シンプルイズベストなフレーズ。

いやいや、改めて聴いても素敵ですGLAY。
聴いたことない人はぜひ。

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