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好きなシリーズもの映画PART2 スター・ウォーズ オリジナル・トリロジー(1977〜1983)

どうも。
シリーズもの好きのoilです。
本日は「スター・ウォーズ」でオリジナル・トリロジーと呼ばれる初期三部作をまとめてレビューします。

シリーズ物で特に入りづらい映画作品群と言えばご存知マーベル・シネマティック・ユニバースかこのスター・ウォーズ・サーガでしょう。

MCUは全24作と作品数がアホみたいに多いのが手を出しにくい理由ですが、「アイアンマン」3部作や「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」2部作、最近では「スパイダーマン」2部作あたりは単独でもある程度物語が成立するし、そもそもシリーズ開始が2008年と比較的最近なため取っつきやすいはず。

一方で、1978年に第1作が公開された「スター・ウォーズ」は今観るとさすがに映像の粗が目立つし、前後の作品と関係性も強い。
さらに、フォースやジェダイのような専門用語が多いのも、何となく入りづらいイメージに拍車をかけているんじゃないだろうか。



そこで、今回はあくまでライトに各作品を紹介。
できれば観てない人に興味を持って欲しいし、観た人には
あー確かにそんな内容だったねと思い出してもられば。
ちなみに、内容はライト向けですがネタバレは全開です

まず、事前に知っていて欲しい専門用語を紹介。

フォース=不思議な力。目には見えないが空間のどこにでもある。使いこなせば予知能力や念動力にもつながる。
ジェダイ=フォースを使いこなす伝説の戦士たちのこと。ちなみにシスは闇落ちしたジェダイ。大体悪い奴。それではスタート。



スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望

公開日:1977.5.25(日本公開:1978.7.1)
評価:100点

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はい、100点です。
今観たら特撮が古いとか殺陣がショボすぎるとか色々ありますが、”スター・ウォーズ”という壮大なスペースオペラの世界観を生み出す役割を果たした時点で、この作品は100点なのかなーと。

“ジェダイ”や”フォース”の設定、人間・エイリアン・ドロイドが自然に共生する日常、レーザーや戦闘機が飛び交うアクション、その中でこそ映えるライトセーバーのバトル。
これだけの設定を一つの映画にぶち込んで絵的に違和感がなく、話はしっかり面白いってめちゃくちゃすごい。

また、シリーズお約束となる演出をこの時点で構築しているのも白眉。
OPで事前設定を全部文字で説明するって、普通に考えたらあり得ないでしょう。笑

でも、この演出さえも今や「スター・ウォーズ」感を引き出す一つの要素となっているし、各エピソードの間が数年空いていることもある本シリーズにおいてはこれが適切なやり方な気さえしてくる。

カットの間を繋ぐアナログなトランジションや、主要人物があっさり死ぬのもこの作品から脈々と受け継がれている。

主要人物はちょっと童貞っぽいけど正義感の強い主人公ルーク(マーク・ハミル)、対照的に以下にもモテそうだけど根は熱い男ハン・ソロ(ハリソン・フォード)、そして意思が強く行動力溢れてるけどツンデレ気味なプリンセス・レイア(キャリー・フィッシャー)。

そのまま今のラノベとかに持ってきても違和感のないようなキャラクター設定が、突飛な物語にとっつきやすさを加味している。

そしてシリーズのマスコット的役割であるドロイドC-3POとR2-D2は、SFに笑いの要素を付加。
ロボットを主要”人物”として捉えて、コメディリリーフを任せた作品ってこれが初なんじゃないでしょうか。

強大な悪に囚われた姫を助けに行く、というストーリーは単純明快な超王道もので観る人を選ばない。
特にエピソード4はストーリーが単純だからこそ、説明的過ぎないスター・ウォーズの世界観がすごく活きてると思う。
フォースの定義や扱い方、ベイダーとオビ=ワンの過去についてなど、観客の想像に委ねる余白を残しているのが素晴らしい。

こういう単純な話こそ悪役には話をガチッと固める説得力が求められるが、ダース・ベイダーは文句のつけようがない
今見ても色褪せることのないデザインに圧倒的なカリスマ性。

デザイン面に関して言えばベイダー以外もストームトルーパーやドロイド、多数登場するエイリアンや戦闘機等、どれ一つ古く見えないことも驚異的

見返せば見返すほどエポックメイキングな作品だと再認識させられる、素晴らしい作品。


スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲

公開日:1980.5.21(日本公開:1980.6.28)
評価:95点

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「The Empire Strikes Back」ってサブタイトル超カッコよくないですか?

監督はシリーズの生みの親であるジョージ・ルーカスからアーヴィン・カーシュナーに交代。

ハン・ソロが囚われの身になる、ルークはベイダーにボロ負けした挙句右手を切り落とされると割と散々な展開が続くが、3部作の中盤ということで無理に全てを終わらせる必要もない。

そこで、人物描写に長けたカーシュナーは、登場人物の内面を掘り下げるような演出を多用。
結果として前作で目立っていたアドベンチャー感は薄まり、人間ドラマやダークな空気感が前面に押し出されることに。
これがファンにシリーズ最高傑作と言われる所以か。

個人的には暗い映画より明るい映画の方が好き(バカなので)なんですが、終始ヘヴィな雰囲気で終わり際も後を引くEP5も結構好きです。

重い雰囲気のせいもあり、ダース・ベイダーは前作にも増して闇の化身感が強くなり恐怖感が倍増
ルークとのライトセーバーバトルでじわじわ彼を追い込む様子は恐怖。BGMがほとんどないことも相まって勝てる気が全くしない。

また、本作ではラスボスである皇帝=ダース・シディアスに加え、伝説のジェダイ・マスターであるヨーダも初登場

ちょっと痴呆老人めいたヤバそうな発言と小柄で年老いた見た目のヨーダが、偉大なジェダイとしての側面を徐々に見せていく演出が非常にうまい。

「No! Try not. Do. Or do not. There is no try.」(やってみるじゃない。やるかやらないかじゃ)という台詞とともにフォースでXウイングを引き上げる場面はトリロジーでも屈指の名シーン。

上記のような名台詞はスター・ウォーズサーガには数多く登場するが、その数がトリロジーの中でも際立って多いのがこのEP5。

例えば、敵に囚われ離れ離れになる直前にハン・ソロとレイアが交わすやりとり。

レイアの「I love you」に対し、ハン・ソロが返すセリフは台本上は「I love you too」だった。
しかし、ソロを演じたハリソン・フォード本人が「I know」という台詞の方がハン・ソロらしいと判断し、自らセリフの変更を提案したそう。
監督のカーシュナーとレイアを演じたキャリー・フィッシャーもこの意見に賛同し、ハン・ソロらしさが炸裂したトリロジー史上屈指の名場面が生まれた。
映画製作って共同作業なんだなーとつくづく思わされるエピソードだ。

そして、スター・ウォーズ旧3部作の一番の見所と言えば、ダース・ベイダーがルークに自分が父親であることを伝えるシーン

このシーン、ベイダーのセリフはもちろん「Iam your father」だが、撮影時はネタバレ防止のためにベイダーのスーツアクターであるデヴィッド・プラウズには「Obi-Wan killed your father.(オビ=ワンがおまえの父親を殺した)」というウソの台詞が伝えられ、公開直前にセリフを差し替えたそう。
撮影時に本来の台詞を知っていた人物は監督のカーシュナー、製作総指揮のルーカス、ルーク役のマーク・ハミルのみだったという。
徹底した情報統制の結果、映画史上稀に見るサプライズが実現した。まさに敵を騙すにはまず味方からってやつ。

他にも、巨大ドロイドの登場や前作を上回る数のバリエーション豊かな惑星(特にホスとベスピンのインパクトは強い)で展開される物語が、スター・ウォーズを更に広げた。
理想的な2作目と言える。


スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還

公開日:1983.5.25(日本公開:1983.7.2)
評価:90点

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初めて観たときはまだサブタイトルが「ジェダイの復讐」だったなあ。

世間的な評価は前2作より一枚落ちる印象で、僕の評価も似た感じ
とは言え、大ヒットシリーズの完結編という難物を監督のリチャード・マーカンドはうまくまとめている。
そもそも、ダース・ベイダーがライトサイドに戻ってくる、という一本芯の通った展開があるからよっぽど変なことをしない限りはうまくいくんだろうけど。
その辺は原案のルーカスのアイデアそのものが良いんだろうなあ。

全体にマイナス点としては、イウォーク族のパンチが強すぎる
彼ら自体は愛らしくて好きなんですが、シリアス感が圧倒的に削がれるんですよね。ちょっと可愛すぎるというか…
木の丸太の罠で鉄でできたドロイドを倒すシーンとか「ウソだろ」ってなっちゃう。
いやまあSFなんて全部ウソっちゃウソなんですけど、あまりにリアリティがね…
他に際立って悪い部分もないんですが、中盤からずっといるもんだからどうしても気になっちゃう。

その点を除けば、ストーリーの完成度は全体的に高いと思う。
序盤のソロ救出シークエンスなんてめちゃくちゃ面白い。
R2-D2がライトセーバー射出する瞬間からこちとらもう興奮マックスですからね。
ピタゴラスイッチ的にお亡くなりになるボバ・フェットのかませ犬感は否めないけど、重要人物っぽいやつがあっさり死ぬのはこのシリーズのお約束。
ジェダイとして大幅に成長したルークの凄みも感じることができる名シーンです。
そしてルークはヨーダの死、オビ=ワンとの邂逅を経て最終決戦へ。この辺でサラッとレイアはルークの妹だと暴露。当時の劇場は驚きに溢れてただろうなあ。初見時は僕も知らなかったのでかなりびっくりした記憶。

緑に包まれた惑星エンドアのシーンの中では、スピーダーのチェイスシーンは見せ方が面白い。
スピーダーを用いてのバトルは9部作でこのシーンが初出。今見るとさすがにちょっとアラも見えるが、合成技術や見せ方も含めて80年代前半によくここまでのものが作れたなあと思う。

後半、ルーク単独とソロ・レイアチームに分かれる流れはEP5と同じだが、今回はそこにランド&反乱軍一同のドッグファイトも加わり、デス・スター内、惑星エンドアの地上、宇宙空間と三つ舞台で物語が展開される。

それぞれに印象深いシーンが用意されていて、その一つがデス・スターのシールドを破壊する任務を負ったソロとレイアが、追い詰められた際にEP5の名シーンをセルフカバーするシーン。
「I love you」「I know」を発する人物が前作とは逆。粋な脚本だ。

ルークとベイダーの最終決戦も見もの。

前作で散々描写されたフォースの暗黒面に、肉体的にも心理的にも立ち向かうルーク。殺陣自体も旧3部作の中では一番派手で見応え十分。
特に、レイアをダークサイドに堕とすという発言に激昂したルークがベイダーを追い込むシーンは、BGMの盛り上がりや真横からのカメラワークも秀逸。

「I am a Jedi, like my father before me」(僕はジェダイだ、かつて父がそうだったように)というセリフと共に皇帝の前でライトセーバーを投げ捨てるシーンのルークのカッコよさは異常
あんなに童貞臭かった初登場時がウソのよう。

ベイダーの改心はちょっと急だった気もしなくはないが、マスクを外してもらい素顔をあらわにし、「父さんを救う」と言ったルークに「もう救われた」と返すシーンは泣けるので良し

そして、しれっと第2デス・スターを破壊するという大金星を挙げるランド・カルリジアン。何気にEP6のMVPはこいつじゃないのか。

ストーリー的には後腐れなく大円団で気持ち良い。ここまで気持ちよく終わるのって9作でこれだけですよね。

まさか32年後にこの続きができて、それがトリロジー全体の評価を落とすとは夢にも思わなかったなあ。

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