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【映画感想・レビュー】ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019)

最近観直したのでこちらのレビューを。
多分女性の方が楽しめるんだろうな、これは。

Rotten Tomatoesで批評家評価95%、一般評価92%と超絶高評価な本作。

僕は本当に小市民タイプの人間なので映画を観た時の評価が一般評価と一致することが多いんですが、本作に関しては若干乖離が発生。

もっとも、つまらないわけではなく。
前半こそ古い年代を描いた洋画特有のテンションに若干ついていけない部分もあったけど全体的に展開が早く飽きないし、時系列をバラした物語の描き方もわかりやすいながら説明的すぎず、非常にバランスの良い作品だった。

女性にとっての本当の幸せはなんなのか、それを問いかけてくる本作の内容は今の時代にリメイクするのにすごく合ってるし、製作する意義があるとも感じた。

作品の内容を何も考えず強い女性とLGBT要素をねじ込んでくる近年のディズニー首脳陣にはこの作品の姿勢を見習ってほしい。

全体としては海外で高評価を受けているのも頷ける内容だけど、僕が女性心理に疎いこともあってかキャラクターの行動に合点がいかないことも多く。

主人公・ジョー(シアーシャ・ローナン)がいつからフリードリヒ(ルイ・ガレル)に惹かれてたんだろう、とか。
直前までローリー(ティモシー・シャラメ)と結婚しようとしてたやんけ。

ラストの描写結構ロマンチックだったしきっとこのツッコミは野暮なんだろうけど、そう思わずにはいられなかった。

で、ローリー側も妥協のようにエイミー(フローレンス・ピュー)と結婚しちゃう。
なんかまだジョーに未練ありげな雰囲気だったけど、本当にそれでよかったのか。

メグ(エマ・ワトソン)もお金ないのに高級な生地買ってんじゃねえよ、と思ったけどこれに関してはメグが高い身分に未だ未練がある、という描写もあったしまあ納得。

全体的にキャスト陣の演技は非常に魅力的。
4姉妹はみんな各々美しく輝いてる。
エマ・ワトソン本当美しかったし、ジョーとベス(エリザ・スカンレン)のシーンはホロリとさせられた。

主演のシアーシャ・ローナン、「グランド・ブタペスト・ホテル」に出てたのか。
大人っぽいしオーラあるし、いい女優さん。

フローレンス・ピューは一歩間違えたら嫌われそうなキャラクターをいい塩梅で演じていたと思う。
でも、4姉妹並ぶとなんだかダントツで顔がデカい。
最後らへんは姉妹で並ぶシーンが多くて、そればっか考えてしまった。可愛いんだけど。

ティモシー・シャラメはもうそこに存在しているだけでカッコいい。
僕は彼を心から応援しています。

偏屈だけどどこか愛情深いマーチおばさんを演じたメリル・ストリープは流石の演技力。
彼女が出てくるだけで画面が締まる。

個人的には、大好きな映画である「遠い空の向こうに」のメインキャストだったローラ・ダーンとクリス・クーパーの再共演を観られたのも嬉しかったなあ。

全体的に、原作の世界観自体と原作ストーリーをまとめるためにスピードアップさせた心情描写が自分にはあんまり合わなかったのかなあ、という印象。
観て損はしない出来だけど、人によっては評価は割れるんじゃないかな。特に僕みたいな鈍い男性は。

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