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20090411 宇宙人のコンピュータ

 宇宙人$${^{*1}}$$は数学が理解できるのか。以前にそんなことを話題にした記事$${^{*2}}$$を書いた事がある。地球以外に住む生物が三角関数とか、微分積分とかトポロジーという概念を持ち得ないのではないか、と書いた。何故なら数や数学は純粋に頭の中の世界だけで扱われるもので、手で触ったり何らかの形で呈示できるものではないからである。

 三角関数のように複雑な物のみならず、加減乗除、更には自然数、そして「数」そのもの概念も発生していない可能性がある。いや可能性と言うよりもそのような可能性は一切ないと言い切れそうな気がする。地球上の生物で「数」の概念を持っているのは恐らく人類だけだろう。地球上でさえそうなのだから、宇宙人$${^{*3}}$$に「数」の概念などある筈がない。

 「$${^{*4}}$$」がなくても高度な文明が築けるのか。高度な文明を築くための科学技術と数学との間には必然性はないだろう。例えばテレビジョン受像機$${^{*5}}$$は数や数学がないと発明できなかったか。トランジスタ$${^{*6}}$$は数がなければ発明されなかったか。「数」や「数学」の概念があるために発明に至るきっかけを得るまでの時間や最初の思いつきを発展させる時間が飛躍的に短縮できたかもしれないが、「数」や「数学」がなければならないということはないだろう。「数」がなければ、何も発達しないとは言い切れない。人類最初の道具の出現と「数」の概念の萌芽とではどちらが先か。「2001年宇宙の旅$${^{*7}}$$」を観る限り、道具が先$${^{*8}}$$だ。

 唯一「数」が関与しなければ、あり得なかったものがある。計算機だ$${^{*9}}$$。数による思考を代行する機械だから当たり前である。人類に数の概念がなければ算盤$${^{*10}}$$も発明されなかった。

 ということは、宇宙人はコンピュータを持っていないことになる。

*1 2006uchujin.gif
*2 20000922 整数に近い無理数
*3 lildude.jpg
*4 数とは何か
*5 20071229 テレビジョン受像機の水洗い(7)
*6 20050909 トランジスタの発明
*7 2001: A Space Odyssey (1968)
*8 ape.jpg
*9 20060302 古代のコンピュータ
*10 20020713 機械式計算機

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