【詩】休暇届

地球は今日も廻っている
私は今日も生きている
人生とは何だ
人生は旅ではない
人生は海でもない
人生は、地球の自転だ

学校には休みがある（ブラック部活に入っていなければ）
勤め人にも休みがある（ブラック企業でなければ）
けれど、生きることには休みがない

学校が休みでも
仕事が休みでも
家事をさぼれても
生きることには休みがない
自転が止められないのと同じで
死ぬまで一日たりとも休めない

入社後半年で、年に20日の有給休暇が付与されるが
生後半年経っても、何十年経っても
生きることの休暇は付与されない
死ぬまで一日たりとも、生きることを休めない

毎日毎日
死ぬまで毎日毎日
起きて食べて排泄しなければならない
つまりは他人と関わらなければならない
何かを考え何かをするか、何もせずとも
時間をやり過ごさなくてはならない
それを毎日毎日課せられている

毎日毎日
死ぬまで毎日毎日
生きることの休みがない
ブラック部活も真っ青の
ブラック企業も真っ青の
ブラック人生なのだ、生きることは

もう疲れました
休暇がほしいんです
休暇届は、どこへ提出すればいいですか
もう疲れました
休暇がほしいんです
なぜ休みがないのですか

「何もしない」は「何もしないで生きる」だから
「何もしない」は生きることの休みではない
生きることをたまには休みたい
ただそれだけなのに、どうして叶わないのでしょう

地球は今日も廻っている
私は今日も生きている
地球の自転は止められず
生きることも死ぬまで休めない
　

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