桜井弓月🌸Kindleで詩集発売中🌙

📕Kindleで詩集『戯言―ざれごと―』『寓話』発売中📚️*詩、短歌、小説、歌詞*誰か、…

桜井弓月🌸Kindleで詩集発売中🌙

📕Kindleで詩集『戯言―ざれごと―』『寓話』発売中📚️*詩、短歌、小説、歌詞*誰か、たった一人にでも届く言葉を*詩誌『ココア共和国』23年3月号以降、複数回掲載*キラキラポジティブではない脳性麻痺の車椅子ユーザー*シスヘテロ女性(she/her)*無神論者*

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【発売中】Kindleで詩集を出しました

このたびKindleで、初の詩集を出しました。 しかも、同時に二冊!! ★第一詩集『戯言―ざれごと―』 ★第二詩集『寓話』 です。 (Kindleのページへのリンクは、この記事の中ほどにあります。) 二冊の詩集どちらも ・kindle unlimitedご加入の方は無料で読み放題です (kindle unlimitedは、初回30日間無料です) ・購入価格は、各500円です ・収録作品数は各48編です これまでnoteや詩誌『月刊 ココア共和国』で発表した詩の中から厳選

    • 【詩】解離

      着たい服を着て、小洒落た食事に出掛け 目の前の愛する友に、やわらかく微笑みかけながら 頭の中では死の算段をするような たとえば、そんな夜がありましたか 磨き抜かれたナイフとフォークで サラダからフィレ肉まで舌鼓を打ちながら 必要なロープの強度や橋の高さを考えるような たとえば、そんな夜がありましたか デザートの美味に感嘆し 最後の一口を惜しむように掬いながら ラズベリーソースに、己が流す血の色を見るような たとえば、そんな夜がありましたか それは虚飾の夜ではなく、覚悟の

      • 【短歌二首】GWの悲哀

        厚紙の鎧兜を着せられてカーネル翁「これも仕事さ」 ハブ駅のエレベーターに海外の客がずらりと ああ円安よ   ★Kindleで詩集『戯言―ざれごと―』『寓話』発売中★ (kindle unlimitedご加入の方は無料で読み放題です)

        • 【短歌四首】明日は立夏

          深春の夏日をゆけば脳喚く 麦茶麦茶、アイスティー、麦茶 冷房の効きすぎたカフェ真冬日のカイロみたいなホットコーヒー 立ち漕ぎで光る若葉を走り抜く少年の背のマリノスブルー 惜しみなく光よ降れよ花よ咲け若葉よ萌えよ明日は立夏   ★Kindleで詩集『戯言―ざれごと―』『寓話』発売中★ (kindle unlimitedご加入の方は無料で読み放題です)

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        • 詩集#4
          19本
        • 短歌集
          31本
        • #反出生主義
          25本
        • #障害のある人生
          19本
        • 詩集#3
          50本
        • 20字小説
          26本

        記事

          【短歌】新緑

            風は止みただ一面に静止画の死にたくなるような新緑   ★Kindleで詩集『戯言―ざれごと―』『寓話』発売中★ (kindle unlimitedご加入の方は無料で読み放題です)

          【短歌】午前0時の鐘が鳴る

            鐘聞くやガラスの靴を叩き割りただの女と男で走れ   ★Kindleで詩集『戯言―ざれごと―』『寓話』発売中★ (kindle unlimitedご加入の方は無料で読み放題です)

          【短歌】午前0時の鐘が鳴る

          【短歌二首】うぐいす

          鶯の伸びしろ聞こゆホッケキョがホーホケキョまでいたる過程の 着実に日々さえずりの進歩する鶯に我遠く及ばず   ★Kindleで詩集『戯言―ざれごと―』『寓話』発売中★ (kindle unlimitedご加入の方は無料で読み放題です)

          【詩】薔薇の花束

          かつて、私の肺には薔薇が咲いていた 赤いのも、白いのも、黄色いのも咲いていた 世界の美を吸い込むことで、薔薇は美しく咲き、高貴で甘やかな香りを放った 肺に色とりどりの薔薇が咲いたから、世界の美に目を見開いていられた しかし、薔薇の花が咲くならば、その陰で棘も育つのだ 世界の醜悪を吸い込むことで、棘は太く伸びてゆき、夥しい数に増えていった 肺に無数の棘が咲いたから、世界の醜悪に呼応せずにはいられない どんなに肺を膨らませても、日に日に大きくなる棘からは逃げられない 薔薇の花

          【短歌四首】風が吹いたら

          春光の遊歩道に風ひとつ車椅子の膝に桜しべ 川を越え鳥たちとゆけ花筏にまだならないで桜吹雪よ 片隅に迷い込んでる花びらをそっと手に乗せ開け放つ窓 週末のクローゼットに春色の戦闘服は並べられたり   ★Kindleで詩集『戯言―ざれごと―』『寓話』発売中★ (kindle unlimitedご加入の方は無料で読み放題です)

          【短歌四首】風が吹いたら

          【詩】トロッコ問題

          線路を走るトロッコ一台 制御不能のトロッコ一台 トロッコの行く手に母親ひとり 分岐の先には少女がひとり 母も娘も金縛り 身動き取れず金縛り 迫り来るトロッコ一台 分岐の前までトロッコ一台 白い翼の使者が舞い降り 黄金の笏を一振りすれば トロッコは止まれど 母と娘は金縛りのまま あの娘はお前の子どもか そうです、私の娘です あの娘はお前が作った子か そうです、私と良人の愛の証です あの娘はお前が生んだ子か そうです、お腹を痛めて生んだ子です あの娘をお前は愛しているか そ

          【詩】耳栓

          「最近は、乾杯のときにビールを強制しちゃいけないらしいよ」 「めんどくさい世の中になったなあ」 君の声だけ、聞こえればいいのに どんな音も声も、防ぐことはできない 耳を塞いでも、薄汚れた音は漏れ聞こえてしまう 君の声だけ、聞こえればいいのに 体ごとやわらかく包み込むタオルケットのような声 みずみずしく輝く花の香りのような声 南国の、とろりとした甘いフルーツのような声 小さな光の粒を束にしたような声 愛の言葉じゃなくていい 希望の言葉じゃなくていい むしろ、そうじゃないほ

          【短歌】春ひとひら

            早朝のトイレの窓にひとひらの春舞い降りており花嵐   ★Kindleで詩集『戯言―ざれごと―』『寓話』発売中★ (kindle unlimitedご加入の方は無料で読み放題です)

          【詩】海の彼方

          なぜ、そうまでして”これ”をせねばならぬのか なぜ、そうまでして”ここ”に居続けねばならぬのか 我々の誰も、自ら望んで“これ”を始めたのではなかった 我々の誰も、自ら望んで“ここ”へ来たのではなかった だが、人生とは ”これ”を続けろ ”ここ”に留まれ と強いられることだ ”これ”を辞めて、海の彼方を漂い いつか空へと蒸発して “ここ”から出てゆけたなら――   ★Kindleで詩集『戯言―ざれごと―』『寓話』発売中★ (kindle unlimitedご加入の方は無

          【詩】清明

          一夜ごと 一夜ごと 花は咲き 花は増し 空を 木々を 世界を 幻想の色に染め 白昼を 宵闇を 闇夜を 狂気で舞え この世が 澄んでいるものか この世が 清らかなものか 人を惑わす花が そこらじゅう 咲き乱れている世が さあ 花の妖気に陶酔し 狂気の舞を 舞え   ★Kindleで詩集『戯言―ざれごと―』『寓話』発売中★ (kindle unlimitedご加入の方は無料で読み放題です)

          【詩】少女

          少女はひとり 夜明けの緑の丘を駆ける 薄衣の 花柄のドレスで 緑の丘を駆ける 駆ける 群青の空は 下方から オレンジ色に燃え始め その日の最初の光が 世界を覆ってゆく 少女はひとり 町を見下ろす丘の頂で 胸に手を組み か弱き声で 歌う 誰にも知られず 誰にも聞かれず か弱く細い その歌声は 夜明けの光に包まれる 熱せられゆく緑の丘 大地を踏みしめる両の足 声はしだいに 体の奥から溢れ出し 溢れ出す声は 力を帯びて放たれる 少女は目を閉じ 体じゅうのエネルギーを 歌声

          【詩】わんこそば

          わんこそばを楽しめるのは 本当にやめたくなったらやめられるからだ 給仕が隙を突いて蕎麦を入れることはあっても 給仕が客の口をこじ開けて蕎麦を流し込むことはない 隙を突いて入れられた蕎麦に苦笑することはあっても 満腹に無理やり蕎麦を流し込まれて嘔吐することはない 本当にやめたくなったらやめられる だから思う存分、蕎麦を食べられる 本当にやめたくなったらやめられる だから自分の限界に挑戦できる 本当にやめたくなったらやめられる だから安心して楽しめる さて、生きることはどう