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【短歌】「毎月短歌」の入選作

お久しぶりです。
まったくやる気が出なくて、1ヶ月以上更新できていないのですが……。
ここらで最近の短歌入選作をまとめるなどして、お茶を濁してみたいと思います。
ネットでおこなわれている短歌企画「毎月短歌」の入選作品と、頂いた選評をご紹介します。
 

◆第11回毎月短歌「5月の自選部門」特にいいなと思ったおうた達

 
風は止みただ一面に静止画の死にたくなるような新緑

(選者:猫背の犬さん)

素晴らしいものを見ると普段は眠っている感情が顔を出すことがあります。主体は自分でも知らないうちにこのような感情を抱えていたのかもしれません。ただ、死にたいというような極端な感情が出るのは景色への最大の賛辞のようにも感じました。静止画と死にも上手く言えない共通項のようなものがあるような気がして、素敵なおうただなと思いました。

第11回毎月短歌「5月の自選短歌部門」選評より

この歌は、Kindleで発売中の『毎月短歌の本 2024年7月号』「巻頭作品・秀歌」として掲載していただきました。


◆第11回毎月短歌「連作部門」 一首表彰

 
連作短歌「博愛的反生殖」より
一番に誇れることは誰ひとりこの子宮から生まなかったこと
(選者:斎藤君)

また、同じく第11回毎月短歌「連作部門」の選者をされていた桐島あおさんが、この連作短歌「博愛的反生殖」の感想を書いてくださるとともに、連作の中から特に好きな一首として

生まれさせられたからにはどんな子も幸せであれ幸せであれ

を挙げてくださいました。

反出生主義、というひとことだけでは括れない、さまざまな葛藤と深い愛情を感じさせる連作です。ひとつの命を産みだすということは否応なくこの世での戦いを強いることで、そうした苦労を背負わせない為にまず生み出さない、という選択を主体は誇りつつ、最後の一首ではすでに生まれさせられた命に対してあたたかいエールを送ります。幼い子どもたちだけでなく、すでに大人になった人々もまた、誰かの子として生まれてきたのだな、ということを考えさせられました。

桐島あおさん 第11回毎月短歌「連作部門」感想より

五首からなる連作短歌「博愛的反生殖」は、Kindleで発売中の『毎月短歌の本 2024年6月号』に掲載されています。


◆第10回毎月短歌「自由詠部門」 佳作

 
何にでもなれると思い込んでいる若葉の若葉色の眩しさ
(選者:toron*さん

選者の皆様、ありがとうございました。
 


 
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