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【詩】「生まれた意味」を破壊せよ

誰が生きても
誰が死んでも
空は青く広いままで
大地は緑と茶色と灰色で
光が射して風が吹いて
雨が降って花が咲いて
誰が生きても
誰が死んでも
朝が来て夜が来るから

だから
生まれた意味なんて気にするな

「この世に生まれたことは奇跡で
誰だって、かけがえのない存在」
なんて、漬物石みたいな
存在の重さで押し潰されるくらいなら
「生まれた意味は特になくて
誰だって、取り替えのきく存在」
って無意味化されて、ふわふわ漂うほうが
生きやすくなることだってあるだろう

生まれた意味とか
生きる意味とか
「わたしだけの使命」とか
あってたまるか、そんなもの

そんなものを押し付けられたら
何万Gの世界で窒息しちまう

生まれた意味も
生きる意味も
「あなただけの使命」も
そんなものは、はなからないから気にするな

《ここ》に縛りつける呪いを振りほどいて
置かれた場所を蹴飛ばして
好きなところへ、自由なところへ
意味がなくても生きられるところへ
呼吸できるところへ
ふわふわ漂いながら逃げていけ

誰が生きても
誰が死んでも
世界は変わらないから
あとのことは気にするな

すべてを拒否して否定して
押し付けられた「生まれた意味」を破壊して
この世界を越えてゆけ
 



一方で、noteを開設した当初、「行けども行けども、ここは《ここ》でしかないよね」というような詩を書きました。


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