かるかや
かるかや
といううどん屋がある。
否、あった。
池袋の西武百貨店の屋上に
そのうどん屋はあった。
昭和43年創業とのことだ。
そのかるかやが
先月いっぱいで
幕を閉じることとなった。
もう先月のことになるが
私は東北へ
弾き語りをしに行った。
石巻といわきをまわり
その帰路
大荷物を抱えたまま
私はこのかるかやへと向かった。
閉業の話は聞いていた。
どうやら百貨店のリニューアル?
があるらしく、
そのタイミングで
閉業、ということになったらしい。
私はこのかるかやに
昔から馴染みがあったわけではないが
近年は気が向くと
うどんを食べに行っていた。
とにかく美味いし
デパートの屋上にあるレベルでは
全くないのだ。
初めて食べたときなんかは
その味にたまげたものだ。
ともかく
そのかるかやの閉業を聞き
駆けつけた、というわけだ。
私はまず
持ちきれないほどの大荷物を
見えやすい席にどかっと置き
列へと向かった。
平日の昼
ということで
まあぼちぼちだろう、と思っていたが
全然甘かった。
恐らくは私同様
閉業を聞きつけ来た人々が
そこそこ集まっていた。
最後尾に並び
順番を待つ。
今ほどではないものの
その日もなんだかジメジメと蒸し暑く
汗を拭いながら待っていた
記憶がある。
結果、待つこと30分。
ようやく私の番が来た。
場合によっては
もうこれが最後かもしれない。
結果最後になったのだが、
とにかく
心ゆくまで堪能したい。
なので絶対大盛りにしよう
と、心に決めて並んでいたのだが
終わりが見えて
人が日々殺到しているのだろうか
大盛りは出来なくなっていた。
ぐぬぬぬぬ
ど、どうしようか。
まあでも堪能する為には
2人前しかないだろう!
と、
私は冷やしのつけうどんと
温かいたぬきうどんを
頼むことにした。
お金を払い
慎重にうどんののったおぼんを持ち
席へと戻る。
いやぁ、実に美味そうだ!
それではいただきます。
うおおお、これこれ!
この味だよ。
美味すぎる。
太くてコシがあるが
しっかりと茹でられていて
実に食べやすい。
そりゃ子供もお年寄りも多いわけだ。
つけうどんの方は甘辛めでコクがあり
卵なども相まって
力がみなぎってくるような旨味だ。
たぬきうどんは
やはり揚げ玉の油感とつゆが合わさった
なんともいえない甘味がたまらない。
温かいうどんでも
麺自体が非常に美味いので
それはもう最高でした。
ご馳走様でした。
大満足でした。
実に名残惜しかったですが
はじまったものは
いつかは終わる。
なんだってそうだ。
でももう少し長く
この味を楽しみたかったな。
デパートの屋上というのも
独特の雰囲気があって
どことなく
のんびりとした空気が流れていて
とても好きでした。
讃岐かるかや
最高でした。ありがとうございました。
またいつかどこかで食べれることを夢見て
今日はうどんでも打とうかな?
幽
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