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サイダーのしゅわしゅわ。

  朝から心の中がざわざわしていて落ち着かない。
天気は快晴で蝉も一生懸命に鳴いているっていうのに。
午後から初めてケースワーカーさんとの面談の予定が入っているからか。
それともいつものLINEが鳴らないからか。
理由はどうあれ、少しだけ心が不協和音を奏でているのはわかるから薬を飲む。

不安になって、もう1錠追加してしまうのは、私のダメなところ。

次の病院はいつだっけ、とカレンダーを見たけれど、面倒くさくなってやめてしまった。

こんな時はやりたくない事は後回し。

少し前まで心の旋律の音がズレて戻すに戻せなくて、すごく居心地が悪い時、煙草に逃げたり、手当り次第に男に連絡したり、ヘッドフォンに埋もれて現実社会をシャットダウンしてたっけな。

サイダーのしゅわしゅわが欲しくて、冷蔵庫の中を探したけれど、昨日飲み干していたわ。
息子がもう少し大きくなって炭酸が飲めるようになったら、ラムネを買ってあげたいとおもうの。
どうやっても取れないビー玉には幼い頃の夏の思い出が、あの時の温度のまま凝縮されている。
思い出すだけで懐かしさが心の中に広がって、少しざわざわが落ち着いてくれる。
夜店、夕涼み会、小さい時はすごく好きだったなあ。
ちょっと特別な日でもあり、夜に出歩いているという背徳感はなんとも高揚した気持ちにさせてくれた。


そんなことを考えていたら、お薬の効果もあってか、少し落ち着いてきたから昼食の準備をして出掛けよう。


そして帰りにサイダーのしゅわしゅわを買って帰ろう。
ラムネは息子と夜店に行けるようになるまで、おあずけにしておこう。

煙草やお酒や男に依存しなくなった分だけ、キチンと地に足をつけていると思えるの。蝉の鳴き声も、夏の暑さも、ちゃんと感じられることが幸せなんでしょうね。

息子が香ばしい匂いを漂わせているので、オムツを変えなきゃだわ!




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