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初めて訪れた日

おはようございます、劇団CLOUD9の小沢です。
せっかく文字と画像で書き連ねていくんだから、こういうことをちゃんと残しておかなきゃと思ったので、ここからしばらく、過去の写真を遡って、僕が見てきた東北のことを書いていこうと思います。

画像情報というものはすごいですね、クラウドに保管しなおしても、AndroidからiPhoneに変えても、変わらずちゃんと記録として残っていました。

2014年7月22日 宮城県南三陸町

ご覧の通り、2014年の夏に撮ったものです。震災後4回目の夏でした。
「大阪東北高校生交流」という企画に参加し、僕はこの時初めて、東北地方に足を踏み入れることとなりました。

東日本大震災のあった日、いつも通り部活が終わって、寒い寒いと言いながら中学から帰宅して、ずーっと流れ続ける災害の様子をただテレビ画面越しに見ていました。

あれから13年。昨日。2024年1月1日。結局僕は知り合いの安否を確認しながらただ他人事のようにテレビ画面とXで情報を集めることしかできませんでした。

あの頃の僕と違ったことは、避難している知り合いがいたことと、僕の今後の動きに判断が迫られていたということ。

あの頃よりも身近な出来事でした。顔の知っている大切な人が今も大変な状況で踏ん張っていることを想像できます。むしろあの頃よりももどかしい気持ちは強くなっている気がします。

今後のことの判断、これは完全にこちら側の事情なのですが…。実は3月21日〜25日に、震災をテーマにした演劇作品を上演しようと準備を進めているところでした。

ちょうど年明けから本腰を入れて頑張るぞというタイミングでの能登半島地震。何かを突きつけられたような気持ちになりました。このまま進めると確実にいろんなしがらみと向き合うことになります。その覚悟を迫られた気持ちになりました。

だけど、この状況でじゃあやめときます、は僕の辞書にはない答えでした。より一層この作品に対する考えを深め、しっかりと向き合って機微を表現していく決意を固めました。やろうと思って準備を始めていたこと全て、中途半端では終われない、終わらせてたまるかという気持ちになりました。

抱えているものの大きさ、果てしないし、めちゃくちゃ大変な未来が待っていることは感じとっています。でも今この瞬間も寒さと不安と恐怖と闘いながら懸命に生きようとしている方々がいて、その人たちに届くのか、それはわかりませんが、でもそういう人たちのことも想いながら、今僕らにできる最善、最大を形にしていくことが、務めなんだと思います。

そんなわけで今日は、約10年前に撮った写真を取り上げてみました。
震災4年目の復興途中の南三陸町です。遠く見える赤い鉄骨が防災対策庁舎。ここで町の人たちへ向けた避難指示が出されていました。50人近くの人たちがここで被災し、40名以上の方が津波で亡くなりました。

最後の最後まで津波からの避難を呼びかけ続けた二人。
遠藤未希さんと三浦毅さん。この方達の呼びかけで何人もの方が救われたと聞きました。遠藤さんは後にたくさん報道にも取り上げられてご遺体も見つかったそうです。一方、三浦さんはニュースや新聞では取り扱われることは少なく、そしてご遺体も見つかっていないとのこと。

語り部バスでここを訪れたとき、実際に降りて「この話はしっかりと伝えておかなければならない」と話してくださったお話の一部です。

ニュースや報道で取り上げられる地名や名前が全てではなく、見えないところでも様々なことが起こっていたのだと知りました。

2014年7月22日 防災対策庁舎

このとき降りたこの場所からの景色は、もう一生見ることはできません。この写真の僕らがいた場所は全て嵩上げ工事で土が盛られました。

2023年10月14日 南三陸町

僕らが当時立っていた場所は、防災対策庁舎の右側の傾斜部分です。

今回の能登半島地震は今のところ多くが地震による被害だと聞いています。どちらかというと阪神淡路大震災のような復興が進んでいくのかもしれません。このような盛り土などはされないのかもしれませんが、いずれにせよ、復興は「これまでの私たちのまち」から離れていくことも同時に意味します。

遺すもの、失ったもの、残ったもの、、、いろいろですが、人それぞれ馳せるものはきっと異なっていて、一つにまとめて言い表すことはできないものだと思います。

そんなモヤっとした想いをそのまま詰め込んで帰ってきた東北でした。そのまま、モヤっとしたものを抱えたまま生きていて、それを、毎年溜め続けて、いま、ひとつの形にしてみました。

『もういいよ』

諦めの言葉ではなく、承認の言葉でありたい、
そう願いながら執筆しました。

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届くべき人のもとへ届く日を目指して、
ひたむきに稽古に励みます。

よろしくお願いします。

大切なことほど、言葉にするのは難しいね。

2024年1月2日.いまできることをひとつずつ



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