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森とニジマスと集中力 〜Shinrin-Yokuの秘密〜

こんばんは。珍しく、自宅でお酒を飲んだ後に書いています。

正直、ぼくはものすごい下戸に近いので、お酒を飲むと何もできなくなります。文章を考えるなんて以ての外、今すぐベッドに飛び込みたい。

でも仕方ないんです。

だってこんなに美味しそうなニジマスが焼けたら、流石に冷蔵庫に誰かが置いていったビールを飲まずにいるわけにはいかないじゃないと思いませんか?

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釣りに行ってきた

この美味しそうなニジマス、実は自分で釣ってきて、さっき自宅で焼いたもの。本日、友人に誘われて神奈川の渓流までニジマス釣りに行ってきたわけです。

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人生初めてのニジマス釣りでしたが、渓流のせせらぎの音、森の香りと木漏れ日に囲まれて、心身ともにとてもリフレッシュできました。ニジマスっていくらを餌にして釣れるんですね。虫が嫌いな人でも平気!

森林といえば、皆さん森林浴という言葉はご存知ですよね?

この森林浴という言葉、実は海外では存在しないって知っていましたか?

森林浴は日本発祥

実はこの森林浴、という言葉、今から38年前(1982年)に、当時の日本の林野庁長官であった秋山智英氏が考案して提唱した和製漢語なんだそうです。

だから日本の森林浴関連の論文では、「Shinrin-Yoku」という言葉で記載されているケースも多々あります。(実はこのトリビア、この記事を書こうとして論文を調べていてShinrin-Yokに気づいてから知ったものでした)

森林浴は集中力を高めるか

さて、この森林浴ですが、リラックス効果があることはよく知られていますが、集中力は上がるのでしょうか?

群馬パース大学保健科学部の近藤氏が検証した報告では、森林浴をしたグループと非森林浴での対照グループでは心理的にも、自律神経ホルモンの血中濃度においても、下記のような有意差が見られている、と報告されています。

森林浴前後における気分の状態を比較したところ、男性では森林浴前後において、D(抑うつ), A-H(イライラ),F(意欲低下)およびC(思考力の低下)のスコアが有意に低下した。一方、非森林浴前後においては、6領域す べてに変化がみられなかった。女性では、森林浴前後において、DおよびCの 項目のスコアが有意に低下した 。なお、女性においては、非森林浴前後にお いても同様に、DおよびCの項目のスコアが有意に低下した。

以上から、心理的には落ち着きが見られるようだ。

同様に、血圧においても、わずかに低下して落ち着きが見られているようだが、収縮期血圧のみであるようだ。

森林浴前後における収縮期血圧を比較したところ、男性の収縮期血圧は、141±25mmHgに比して137±23mmHgであり、僅かに低下する傾向にあった。同様に、女性は、139±9mmHgに比して120±10mmHgであり有意に低下した。なお、森林浴前後における拡張期血圧および脈拍数は、男女ともに有意差は認められなかった。非森林浴前後における収縮期血圧を比較したところ、男性の収縮期血圧は、133±21mmHgに比して136±23mmHgであ
り、増加する傾向にあった。同様に、女性は133±17mmHgに比して130±13mmHgであり、有意な低下は認められなかった。なお、非森林浴前後における拡張期血圧および脈拍に有意差は認められなかった。

だがしかし、アドレナリンの値も下がっているようである。

森林浴前後における男性の血漿アドレナリン濃度は、78.1±39.5pg/mlに比して58.5±28.7pg/mlであり有意に低下した。同様に女性は、52±27.9pg/mlに比して40.2±23.7pg/mlであり、有意に低下した。非森林浴前後における男性の血漿アドレナリン濃度は、60.8±47.1ng/mlに比して68.2±48.5ng/ml、同様に女性は、38.5±17.3ng/mlに比して36.8±17.5ng/mlであり、ばらつきが大きく一定の傾向を認めなかった。森林浴前後におけるノルアドレナリンおよびドパミンを比較したところ、男女ともばらつきが大きく一定の傾向を認めなかつた。この傾向は、非森林浴前後の結果と同値を示した。

本日のまとめ

森林浴にはリラックス効果がある可能性と集中力を増加させる可能性は高いが、参照研究の総括からも、可能性がある、という程度であった。

森林浴をしている状態での脳波の状況なども含めて、また新しい発見があったら、ここに追記していこうと思う。


とりあえず、今日のところは、もうほんと酔いが回ってきたので、これまで。

それでは皆さま、明日も良い集中を。たまには森林浴でリフレッシュをしてはいかがでしょうか。明日からGOTOトラベルも始まりますしね。

参考文献:
森林浴効果の生理 ・心理学的研究: 日本温泉気候物理医学会2008年
近藤 照彦氏 他 著

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