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【上映禁止の問題作】アングスト/不安

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見境のない行動とは正にこの事である。この主人公の男が起こす行動への理解は一つもできないが、その殺人行為への興奮とエクスタシーはアーウィンレダーの怪演からビンビンに伝わってくる。一見、中身のない殺人映画に見えるが、その芝居から見える演出は実に細かい。そして、殺されてからも長くフロアや階段を引きずり回される死体役の人たちの演技も称えなくてはならない。ギャスパーノエが60回以上観たと言うほど、影響を受けた映画とは聞いていたが、ギャスパー映画の俯瞰で人物を追い続けるカメラワークはここからきていたことを改めて確認できた。

ゲラルドカーグルの4本目の長編映画であり、1983年に本作を撮って以降のフィルモグラフィーは更新されていない。wiki情報だと、以降は広告活動と教育映画に専念しているらしいが、それはまた一体どうしてなんだろう……

「上映禁止」の謳い文句から、グロい映画を期待して観ると多少拍子抜けかもしれない。それでも、アーウィンレダーの生々しい怪演は必見。今までたくさんのサイコパスを演じる俳優は見てきたが、現実味のあるサイコパス演技としては、一番かもしれない。

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